東京五輪・パラリンピックの聖火リレーは、2日目にして早くも懸念していた密集状態が発生してしまった。26日は福島県相馬市をスタート。起こったのは、この日の第5区間、福島市だった。同区間最終走者のゴール地点。福島県庁前広場には、コの字型に観衆を仕切る柵が設置されていたが、何重にも重なり合ってしまった大観衆。沿道にもビッシリで、推定500人超。スタッフが「間隔を空けて、密は避けてください。聖火リレーを続けられなくなってしまいます」と懸命に呼びかけても解消されず。自粛を求めた歓声も、短時間だが発生した。

現場担当スタッフは「かなり人が集まってしまうことは想定していたのですが…。なるべく肩が当たらないように工夫をして、ソーシャルディスタンスをとったつもり。警備の人数も増やしました」。直前の中継地点で走者も参加したスポンサーイベントを行ったこともあり、他区間の沿道で観戦していた人もゴール地点に集まってしまったことも要因の1つだった。

東京五輪・パラリンピック組織委員会は、沿道観覧客の「密集」に関して、判断基準を示している。 (1) 肩が触れ合う程度に密接 (2) 十分な間隔を空けずに複数列に重なり合っている。歩行の通行路が確保出来なくなったり、警察と協力した注意指導でも過度の密集が解消されなかった場合、中断、中止も検討される。

県の聖火リレー担当者は「人が多かったことは確認しています。スペースは広かったですし、時間的に短かったので」と判断。27日以降、7月23日の開会式当日まで、あと119日間続く。コロナ禍の再拡大の懸念と同時に、密集についての明確な解消策が求められている。【鎌田直秀】