国内女子ゴルフの渋野日向子(21=サントリー)が、来年の東京オリンピック(五輪)出場権獲得へ、待望のスタートラインが決まった。日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)は3日、アース・モンダミンカップ(6月25~28日、千葉・カメリアヒルズCC)の無観客開催を発表。新型コロナウイルス感染拡大で中止が続いた国内女子ツアーは、約3カ月半遅れ、第17戦目で開幕する。ホステス大会3試合、前年優勝大会2試合が流れた渋野にとっても、待ちに待った開幕になる。

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渋野に待ちに待った瞬間が訪れる。25日からのアース・モンダミンカップが無観客とはいえ、開催決定。今年と来年が統合された「20-21年シーズン」がついに始まる。

JLPGAの小林浩美会長(57)はこの日、オンラインで会見。16戦連続中止後の開幕に踏み出したことに「プロスポーツ(のプロ野球)が6月19日から無観客で開催できるようになり、環境が整った。これほどうれしいことはない」と心境を語った。今年37戦中、この日決まった延田グループ・マスターズGCレディース(兵庫)を含む20戦が中止になっているが、開催を決めた今大会との違いに、緊急事態宣言解除という状況の変化を最大の要因に挙げた。

今後は選手らに開催2週間前から検温を課すなど、新型コロナウイルス感染リスクを最小限に抑える対策マニュアルをまとめ、随時更新していく。また、無観客の4日間を全18ホールをカバー、合計40時間のインターネット中継で伝える。同会長は「スポーツの醍醐味(だいごみ)を発信したい」と話した。

国内ツアーでは約3カ月半遅れの開幕だが、渋野には約4カ月遅れなる。まず2月ホンダLPGAタイランド、3月HSBC女子世界選手権という米ツアーのアジアシリーズ2試合が中止。国内ではスポンサー大会3試合(Tポイント×ENEOS、KKT杯バンテリン・レディース、サントリー・レディース)が流れ、前年優勝大会2試合(ツアー初優勝したワールドレディース・サロンパス杯、2勝目の資生堂アネッサ・レディース)も消えた。

試合がない間は、地元・岡山市の実家を中心にトレーニング。1日には「新品から2カ月後」という、傷だらけのウエッジ画像をSNSに投稿、豊富な練習量をうかがわせた。最近はシェパードの子犬「朔(さく)」にも癒やされた。やる気もエネルギーも満々だ。渋野の2020年が開幕する。【加藤裕一】