体操男子で個人総合五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が29日、都内で行われた強化合宿でオンライン取材に応じた。先月、両肩痛の影響で種目別鉄棒に絞って東京五輪を目指すことを公表した。その真意、現状などについて語った。

-東京五輪が1年延期になったことについて

最初は、そうですね、年明けてくらいから危うくなっていた。もうこの状況でやることできないかなと。決まった時はやっぱりと。それから、意識しなくても喪失感があり、なかなか練習に身が入らない時期もありました。予想はしていたものの、かけてきた思いが強かったので、大きかったですね。

-鉄棒に専念することについて

そうですね…、実際は6種目で狙いたいんですけど、いまでも6種目でいきたい思いは変わってないですけど、どうしても肩の痛みが取れなくて。苦しい中でやるよりは、痛みが少ない方法で、世界でも評価されている鉄棒でいったほうが、自分としても、サポートしてくれる人のためにも気持ちよく五輪にいけるんじゃないかなと。個人総合、団体を諦めた訳でなく、前向きに考えて、自分が1番輝ける方法がこれしか見つからなかった。結構、悩みましたけどね。いまでも(6種目は)捨て切れてない。あわよくばやりたいですが、なかなか難しいですね。

-鉄棒の構成について

正直に言って、詳細は教えたくないです。お楽しみにという意味も込めて。みなさん、どういう構成か楽しみにしていると思うので、僕の口からはあまり言わない方がいいかな。試合で見て感じてもらった方がいい。ブレトシュナイダーには挑戦したいというのは伝えます。

-東京五輪へ向けて

6種目やりたい気持ちは捨てずに、それでも鉄棒の演技にさらに磨きをかけていきたい。五輪に出て金メダルを取りたいとかの領域ではないと思う。いままで応援してもらった人に感謝を伝える演技を。コロナでうまくいかない人がたくさんいると思う。スポーツの力で日本を変えるくらいの演技をしたい。

-6種目できなくても体操は楽しんでいるか

はい、楽しんでます。久々の感覚というか、ストレスなく、どれだけ動けてもいける。楽しいですね。リオの前というか、本当に体の調子が良かったころの感覚になってきているので、いままでは頑張って練習しないと。いまはやり過ぎをセーブしているので。ということは純粋に楽しめているということ。