東京五輪の個人枠(最大2枠)をかけた男子種目別トライアウトで、鉄棒に絞って東京オリンピック(五輪)出場を狙う内村航平(32=ジョイカル)が15・466点をマークした。16日の第2日の演技で記録した15・166点に続き、高得点を並べた。

冒頭のH難度「ブレトシュナイダー」を決め、その後の3つの手放し技でも乱れはなかった。演技後には控えめなガッツポーズもした。

コメントは以下

「演技構成自体が体に染み込んできた。すごく冷静に演技をしていたかな。良かったのはコールマンです。狙っていい位置で取れた。冷静に動かせているな。そこでぞわっときた。こういう感覚は経験したことないなと」

「まだまだ練習を詰め切れていないのかな。着地も当然止まってないし、苦しい中で動かしてやっているけど、それなりに収穫もあったかなという演技ですね」

「1種目にかけてやるのは、種目から声が聞こえているかのような境地にはいけていると思う、器具の声を聞きながら、その日の自分の体調に合わせてやってる感覚が合って、器具とタイミングがかみ合ったときは非常に良い演技ができる。合わないとそっぽ向かれるし、その辺は鉄棒とうまく対話しながらあわせていっている。そこはなかったことですね」

選考会は全日本選手権、NHK杯(5月、長野)、全日本種目別選手権(6月、高崎)の3大会。最大2枠の個人枠は鉄棒だけでなく、他5種目の選手もライバルで、国内の代表争いが待つ。迎えた初戦、選考基準の目安となる19年世界選手権での海外選手の得点14・933点を2演技とも上回り、幸先良いスタートを切った。

4大会連続五輪は、日本男子では52年ヘルシンキ大会、56年メルボルン大会、60年ローマ大会、64年東京大会に出場した小野喬さん以来、史上2人目となる。

◆個人枠の代表選考 個人総合のW杯で1枠を確保し、今後は5月のアジア選手権の結果、または開催が延期されている種目別W杯ドーハ大会の成績により、もう1枠が付与される。

選考方法は、日本協会が19年世界選手権から全日本種目別までの8大会で、海外選手、団体代表4人らの得点を対象にした独自の世界ランキングを作成。全日本種目別後に同ランキング突破者の順位ごとにポイントを与え、5試合の総合ポイントで競う。1位かつ0・2点差以上は40点、1位は30点、2位は20点と続く。