全日本柔道連盟(全柔連)は15日、オンラインで常務理事会と強化委員会を開き、2月までに決めた男子66キロ級を除く東京オリンピック(五輪)代表男女13選手の代表権を維持する方針を固めた。6月中旬以降に開催する理事会で正式決定する。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で東京五輪が来夏に延期となったことを受け、全柔連は代表選手の処遇について議論を重ねていた。常務理事会と強化委員会は当初4月15日に行う予定だったが、全柔連役職員が新型コロナウイルスに集団感染し、1カ月延期された。常務理事会後、取材に応じた全柔連の中里壮也専務理事は、代表維持について「国際柔道連盟(IJF)から試合日程の連絡もなく、選考する手段がないのが大きな理由。強化委員会と常務理事会とも全会一致で決まった」と説明した。

男子66キロ級の選考に関しては、最終選考会を兼ねた4月の全日本選抜体重別選手権が延期となり、新たな日程のめどは立っていない。

○…全柔連の金野潤強化委員長(53)は、五輪代表13人の代表権維持について「ベストだ」と強調した。国内外で今後の大会を開催できる見通しが立たない中、代表選手の処遇を巡り議論を重ねた。「我々が一番大事にしていることは公平性。(大会もなく)フェアに選手を比較することができないのが現状。その中で、1年後を考えると維持以外の選択肢はない」と説明した。