東京五輪柔道女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)が、グランドスラム(GS)カザン大会(ロシア)での優勝から一夜明けた6日、オンライン取材に応じた。

五輪前最後の実戦を4試合一本勝ちで制し、「良い状態で上がっている。今回の優勝で自信を持てたし、五輪への大きな力になった」と手応えを口にした。

海外勢に得意の袖釣り込み腰を警戒される中、大内刈りなどの足技を駆使して勝負を決めた。試合映像を見返しても「自分らしい動き」ができていることを確認。課題としていた「技の幅」も広がり、成長を実感した。3月のGSタシケント大会(ウズベキスタン)も優勝したが、不完全燃焼に終わったため本番への確かな手応えがほしかった。

7月25日の初の夢舞台は、男子66キロ級代表の兄一二三(23=パーク24)と臨む。圧倒的な強さを誇る「怪物」を目標とする20歳の世界女王は「最高の準備をして、最高のパフォーマンスができるように悔いなく五輪までやりきりたい」と、柔道人生の大一番を見据えた。