空手のプレミアリーグ、リスボン大会(ポルトガル)が30日から3日間行われる。東京オリンピック(五輪)代表を決める最終選考会。五輪実施全8種目で1枠ずつ開催国枠を持つ日本は、すでに6種目で代表内定が決定。残るは組手男子67キロ級と、女子61キロ級の2種目だ。

空手では、国際大会の成績を反映した五輪ランキングによって代表選手が決まる。プレミアリーグを優勝した場合、1大会を通じて得られるのは1000ポイント前後。男子67キロ級で日本勢トップは8位の佐合尚人(28=高栄警備保障)だが、同10位篠原浩人(32=マルホウ)との差はわずか172・5ポイント。今大会でひっくり返る可能性は十分ある。

五輪での男子67キロ級は、通常時の2つの階級が統合されて行われる。今大会には佐合は本来の60キロ級、篠原が67キロ級にそれぞれ出場。2人の直接対決はないが、最後まで目が離せない戦いが続きそうだ。

昨年3月、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、予定されていた最終選考大会が中止となった。いったんは佐合が内定選手と発表されたが、その後、五輪延期が決まったことを受けて再選考に。“内定取り消し”となった佐合は「残念な気持ちもあった」と当時の心境を振り返りつつ、「そこまで気落ちすることはなく、再選考の試合で頑張ろうと切り替えられた」。持ち味の攻撃力を武器に攻め抜く姿勢を示し、「何が何でも自分の力で勝ち取りたい」と誓う。

代表入りの可能性が復活した篠原は逆転を狙う立場。「勝負は一瞬で決まる。その一瞬一瞬を楽しみたい」。しばらく海外遠征がなかったことで、4歳の長男、3歳の長女、1歳の次女とともに過ごす時間が増えた。昨秋には長男から手づくりの金メダルを贈られただけに、今大会では「金メダルを持って帰りたい」。きらめく“お土産”でお返しするつもりだ。

女子61キロ級には、10位染谷真有美(27=テアトルアカデミー)と14位森口彩美(25=AGP)がともにエントリー。その差は600ポイントとやや開いているが、こちらは直接対決の可能性もある。

染谷の姉、香予は61キロ超級での五輪切符を逃したが、可能性がついえたあとも、姉妹で練習を重ねてきた。妹の真有美は「一緒に夢を追いかけている状況は変わらない。一緒に戦ってくれていることが自分の支え」。感謝を胸に“再内定”を目指す。

一方の森口は、再選考決定後、股関節の手術に踏み切った。一時は歩くことさえ困難な状況を経て臨む今大会。「マットに帰ってこれるかという不安があった。まずは試合ができることが純粋にうれしい」。苦難を乗り越え、五輪への道を切り開く。【奥岡幹浩】