東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が26日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京・晴海で会見した。

政府発表を受け、聖火リレーについて「中止は全く考えていません」と表明。「3月12日の採火式、20日の到着式、被災3県をめぐって26日にグランドスタートとなる。その中でイベント、セレモニーをどうすれば開催できるか考えていきたい」と説明した。

開催の基準となる基本方針に関しては「来週中にも発表したい」と公表時期を明らかに。「基本的な指針といったものをお示ししながら、ご判断いただく体制をつくっていきたい。個々の都道府県によって状況はさまざま。基本方針を受けて、従来通りか縮小等の措置を取るのか、いずれにしても来週中に向けて準備したい」とした。

また、一部の国際オリンピック(IOC)委員が5月下旬に開催可否を判断する可能性がある、との私見を述べたことに関しては「確認したところIOCの方針、考えではないと受け止めています」。対策本部の考えとして「まず、申し上げなければいけないのは、基本的な考え方として、五輪・パラリンピックは予定通り実施するということ。それが前提になります。当面、コロナウイルスの感染状況は予想が難しいとは思いますが、安心安全な五輪・パラリンピックを開催するために当面の対応を考えていく」と話した。

開催可否のシミュレーションは否定。「まだ、我々としては何もしていない。あくまでも実施に向けて準備している」。あらためて「5月下旬」と一部報道で出たリミットについて「考えたことも、聞いたこともない。IOCにも、そういう聞き方を一切していないし、そういった話は、そもそも全くない」と完全否定した。