7月24日に開幕予定だった東京オリンピック(五輪)・パラリンピックの延期が決まってから一夜明けた25日、日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長(62)が都内で取材に応じた。

今夏の東京五輪を競技生活の集大成と位置付けている選手も多かった。また延期の余波で、代表に1度は内定しながら、それが取り消される可能性も考えられる。山下会長は、選び直しも含めた今後の代表選考に関して、各競技団体の意向を「尊重しないといけない」と話した。

80年モスクワ五輪では冷戦の影響により、日本選手団はボイコットした。山下会長は、その「幻の代表」だった。その経験を経て、4年後のロサンゼルス五輪で柔道男子無差別級で金メダルを獲得している。今回、余波を受ける可能性のある選手へメッセージを送った。

「私も、もうちょっとで63歳。やっぱり人生いろんなことがありました。自分の思うようにいかないこと、予想もしないこともありました。そういう状況になった時に腐らず、諦めず、もう1回、自分自身を奮い立たせ、そして気持ちを若々しく保つ。そして今回内定を得て、選考方法に変わっても、その条件と真摯(しんし)に向き合って、全力を尽くし、新たな目標へ向けて頑張っていくことがプラスになる。難しいの分かっていますが、すべてを前向きに、チャレンジして欲しい」。