東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長(76)が28日、オンライン上で記者会見を行った。

東京都知事選に宇都宮健児氏が立候補し、記者会見で東京五輪・パラリンピックについて発言したことについて質問された。同氏が「専門家が来年の開催は難しいと言った場合、できるだけ早い段階で中止を決めるべきだ。五輪予算を使えば都民の命を救える」と主張したことについて、どう受け止めるか? 五輪中止が都知事選の争点になると考えられるか? と聞かれると「立候補者のお話に、私どもがコメントすることは差し控えたい。都知事選の結果と関係なく、来年の大会に向けて準備を進めていく。それが我々の仕事」とかわした。

大会の来夏への延期が決まってから約2カ月がたったことには「長いようで、まだ2カ月。1年数カ月の間に、今まで何年(6~7年)もかけて準備してきたことを検討し、結論を出さねばなりません」と所感を述べた。

43会場の再確保など、まだ確定報告が1つもない現状を海外メディアから指摘され「準備状況を400メートル走で例えると、今は第1コーナーあたりか?」と質問されると「時間軸で言うと始まったばかり。400メートル競争のように1歩ずつ進んでいくものではなく、水面下で準備を進め、結論が出た時には一気に進むもの。第1コーナーかどうか、というご質問にはお答えできませんが、準備が遅れている認識はない。順調でございます」と回答した。

6月の予定について聞かれると、10日に国際オリンピック委員会(IOC)のオンライン理事会があり、組織委としてプレゼンテーションを求められていることを明かした。内容については「検討中」とした。