東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会は30日、新型コロナウイルスの影響で来夏に大会が延期されたことに伴う観戦チケット払い戻しを11月10日から受け付けると発表した。五輪の申請手続き期間は11月10日未明~30日午前11時59分で、返金時期は12月下旬以降。パラは12月1日未明~21日午前11時59分で、返金は来年1月中旬以降になる。

対象は五輪が約445万枚でパラが97万枚。マラソン会場の札幌移転で既に払い戻しがあった分は除く。チケットは延期後も原則有効だが、競技日程の変更で観戦が困難になった購入者に配慮。返金システム新規構築で11月になった。払い戻しの申請数がどれだけあったかは後日、公表する。

新型コロナ禍の先行きが見通せない中、観客数の削減等があった場合、新たな払い戻しに応じる方針も明らかにした。都内で会見した組織委の鈴木秀紀マーケティング局次長が、削減の有無について「今後の新型コロナ対策調整会議で話し合われる」と言及を避けた上で「万が一、コロナの影響で観戦機会をご提供できなくなった場合は別途、払い戻しする」と表明した。

同席した高谷スポークスパーソンは「中止も無観客も検討していない」と断言し、観客削減の可能性は「さまざまな対策を検討している」と否定しなかった。チケット保有者が不安定な立場にあり、かつ今回の払い戻し受け付け期間が短く、難しい判断を迫ることへの不安をやわらげようとした格好だ。公式リセール実施も計画している。【木下淳】