今夏の東京オリンピック(五輪)開催に海外メディアから懐疑論が出始めている。7日、AP通信は「ウイルスの急速な広がりが五輪の計画を危うくしている」と報じた。中止や再延期を否定する国際オリンピック委員会(IOC)や政府、大会組織委員会と、開催に否定的な国内世論との温度差を指摘する報道も目立つ。

IOCは宣言発令を受けて「日本の当局とその対策に全幅の信頼を寄せている。日本のパートナーとともに今夏の東京五輪・パラリンピックを安全かつ成功裏に開催するため、引き続き全力で集中して取り組んでいく」との談話を出した。大会実現を改めて強調した菅義偉首相と歩調を合わせ、積極的に開催をアピールした形だ。

しかし、各メディアは中止または再延期すべきだとの回答が6割を超えた日本の世論調査の結果を紹介するなど、開催を不安視する論調が主流。フランス国営テレビ(電子版)は「新たな緊急事態、五輪に影を落とす」と題した記事で「世論の疑念、不信感を引き起こしている」と報じた。

英スカイスポーツ(電子版)も「国民の疑念が高まっているのに、政治家は五輪を開催すべきだと繰り返し訴えている」と批判的に伝え、4月までに開催可否が判断されるとの見方も示した。