日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長が9日、都内で定例記者会見を開き、東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長による女性蔑視発言後に大会ボランティア約390人が辞退した問題に危機感を示した。

自民党の二階俊博幹事長の「辞めたいなら新たに募集する」などと発言したことが波紋を広げている状況に「(辞退は)瞬間的なものととらえていないし、とらえてはいけない」とした。

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約50分間の会見で、山下会長の意思を最も強く感じた場面だった。自民党の二階幹事長による「瞬間的」「落ち着いて静かになったら、その人たちの考えもまた変わる」の8日の弁。森会長の女性蔑視とも取れる発言によるボランティア辞退の動きについて聞かれた時だった。

「私自身は瞬間的なものととらえてませんし、とらえてはいけないと、こういう風に思ってます」。

今回は女性差別と感じる発言が辞退の要因を生んでいるが、「さまざまな形での差別がある」とした上で、「スポーツ界全体から直していく。それが今回の問題での我々が果たすべき役割」と立場を示した。

3日の森会長の発言は、JOCの臨時評議員会の閉会後だった。その場での不適切な言葉への指摘などは行わず、5日に取材対応し、辞任は求めない態度を示していた。この日も「極めて不適切であったとあらためて強調したい」としたが、「謝罪撤回しておられます。是非はあらためて述べる必要はない」とした。スポンサーからも厳しい意見が上がるが、「そういった声が寄せられるのは当然あり得る。残念だが、それも理解すべきだと思っている」と語った。

コロナ禍、さらに森会長の発言により、五輪を開催してほしいと願うのもためらう選手もいる。応援がない、支持されなくては開催は厳しいと発信する選手もいる。JOCには直接訴えは届いてないが、アスリート委員会を通じて情報収集していくという。機運醸成が求められるなか、山下会長は「この状況でアスリートに発言を求めるのは酷」「機運を盛り上げる案をいまただちに持っているわけではございません」と厳しい表情を見せていた。