<スポンサー企業も>

東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の森会長が辞任を表明し、スポンサー企業からは12日、透明性を確保した後任の選定と、組織委の早期立て直しを求める声が相次いだ。

アシックスの広田康人社長は12日の決算説明会で、森氏の発言を「男女平等の理念に反することがあってはならない」とし、組織委には「早い時期に体制を固めてほしい」と求めた。後任の会長は「しっかりしたプロセスで選任されるべきだ」と指摘した。

三井住友銀行も発言を「オリンピック(五輪)・パラリンピックの精神に反する。大変残念に思う」とし「今後、開催国として信頼回復に努める必要がある」とした。NECは辞任に遺憾の意を示した上で、後任には「開催および、その成功に向けたリーダーシップを発揮されることを期待する」とコメントした。

あるスポンサー企業の関係者は「人事が決まらず、ごたごたしているのが、海外にどう受け止められるのか心配だ」とし「五輪の精神に共感してスポンサーになっており、それに沿った人選を期待したい」と話した。

別の企業関係者も「本番直前に人事で混乱するのは、どうかと思う。組織委は大会の成功に向けた本来の仕事に力を使ってほしい」と不満を漏らす。森氏の後任に橋本聖子五輪相が浮上していることには「事情を分かっていると思うので違和感はない」と語った。

<スポーツ界も>

森会長が辞任表明したが、後任選定は不透明な状態が続く。スポーツ界からは「もうこうなった以上は、早くというよりもきちんと決めてほしい。五輪に向かう体制をしっかり整えてほしい」(麻場一徳・日本陸連強化委員長)など、事態の正常化を求める声が上がった。日本ボクシング連盟の強化担当幹部は「川淵さんは適任だが、辞める人が次の人を指名するのはおかしい」と話した。

日本バレーボール協会幹部は「公益財団法人の進め方としては不適切だった」と指摘。その上で「ごたごたが長く続くのは一番避けないといけない。さりとて誰でもいいわけじゃない。公明正大にガラス張りのところでやっていけばいい」と注文した。混乱が続くことで、新型コロナウイルスの影響で開催が危ぶまれる大会への風当たりはさらに強まりそう。日本ボクシング連盟の強化担当者は「五輪への機運を高めないといけない人が、逆風を吹かせている」と嘆いた。

競泳日本代表の平井伯昌ヘッドコーチは「五輪まであと半年。開催の可否や開催内容にも影響するのではないか」と危機感を示し、「落ち着いて強化できない」と話した。

一方で「現場への直接的な影響はない」との声も。「自分たちの覚悟があれば大丈夫。これで士気が下がるぐらいなら元々五輪などやらない方がいい」と語る競技団体の幹部もいた。