東京オリンピック(五輪)・パラリンピック組織委員会の橋本聖子会長が27日、都内にある性的少数者(LGBTQ)の情報発信拠点「プライドハウス東京レガシー」を訪れた。施設内の見学や当事者たちと対話をしながら、東京大会以降も続く多様性と調和のあり方を考えた。

性的少数者を象徴するレインボーカラーの上に「Equality」と書かれたマスクを着けて橋本会長は、施設内を見学。IOCのバッハ会長や東京都の小池都知事の寄せ書きを見つけると、「ぜひ私も書きたい」と懇願。五輪相時代から兼ねて訪れたいと思っていた場所への来訪がかない、終始興味深そうに話を聞いていた。

参加者との対話では東京大会に向けて今後取り組みたいことについて、「五輪後もスポーツ団体から理解を広める活動のバトンをつないでほしい」「ボランティアの方々への研修をしたい」。「河瀬直美監督が手掛ける五輪の記録映画の中にもぜひLGBTQについて取り上げてほしい」との意見について、橋本会長は「今後もレガシーとして残していくために、河瀬監督ともお話ししていきたい」と答えた。

橋本会長は「東京五輪を振り返ったときに、多様性と調和を考える転換であったと思われるような活動をしていく。それが責務」と力強く言った。次世代に向けて発信力のあるアスリートとも協力し、スポーツ界からレガシーを残していくと訴えた。

◆プライドハウス 2010年バンクーバー冬季オリンピック競技大会時に開設され、以降国際スポーツ大会にあわせて期間限定で設立されている。19年日本で開かれたラグビーW杯の時にも置かれ、性的少数者の理解を深めたり、参加者同士が交流する場になった。東京大会で初めて公認プログラムに認定され、日本初となる常設の施設として20年10月に開設された。