国内ランキング1位の石井美樹(31=荒井商事、湘南ベルマーレ)・村上めぐみ(35=株式会社オーイング)組が、鈴木千代(27=クロス・ヘッド)・坂口由里香(26=大樹グループ)組に2-0とストレート勝ちして優勝した。持ち味のサーブを生かし、前日に行われた初戦で敗れた相手に雪辱を果たした。開催国「1」枠の東京五輪出場権を獲得した。

第2セット、20-12と大きくリードして迎えたマッチポイント。村上の鋭いサーブが鈴木のレシーブを乱してサービスエース。結成7年目の実力者ペアが五輪初出場の切符をつかみ、2人の感情が込み上げた。石井は「全身の力が抜けた感じがした」。村上は「絶対に勝ちたいと思っていたので、プレッシャーから解放されました」と心境を振り返った。

前日の初戦で鈴木・坂口由組にストレート負けを喫した中での再戦。力を出し切らなければ後悔する。そんな気持ちを胸に石井は「1球1球魂を込めました」。決定力の高さと効果的なサーブで序盤から得点を重ね、村上も「(決勝は)石井の決定力とサーブが良かった」と勝利の要因に挙げた。

2015年にチームを結成し、16リオ五輪予選を経験。アジア予選の3位決定戦で中国に敗れた。「5年前のリオ予選は分岐点。悔しい思いをしたからこそ頑張れた」と石井。1度はチームを解散したが、再結成後は国内外のツアーを転戦。172センチと165センチの小柄なペアでも世界と渡り合える可能性を示し、国内の他のプレーヤーたちからも一目置かれる存在だ。

新型コロナウイルスの影響で五輪延期後の1年間は一時目標が定まらず、2人の間でも悩み、苦しみながら歩んできた。念願だった初の五輪の舞台だが、村上は「やっとスタートラインに立てた」。出場だけで満足するつもりはない。

◆石井美樹(いしい・みき)1989(平元)年11月7日、神奈川県藤沢市生まれ。大和南-久光-JTでプレー後、恩師に声を掛けてもらったことがきっかけで、14年にビーチ転向。タイミング抜群のブロックやスピードサーブ、鋭い強打などを武器に、15年からのペアを組む村上めぐみと国内トップに登り詰めた。休日の過ごし方は「ひたすら寝るか、買い物に出かける」。172センチ。

◆村上めぐみ(むらかみ・めぐみ)1985(昭60)年9月14日、福井県越前市生まれ。南中山小-南越中-福井商業高-大阪国際大-上越マリンブリーズ。休日の過ごし方は「音楽を聴いたり、きれいな景色を見に行ったり、家でのんびりするのも好きです」165センチ。