東京五輪の開閉会式が無観客となる見通しであることが2日、分かった。関係者によると、組織委員会が大規模会場の一部を無観客とする調整を進めている中で、規制緩和時に最大1万人とされた施設を5000人など人数を減らし直すことが不可能。政府が来週に示す基準次第だが、大会の顔とも言える国立競技場での開会式も観客なしを避けられない公算が高まった。

東京都の新型コロナウイルス新規感染者数は増加傾向にあり、まん延防止等重点措置が11日に解除されなければ、観客数の上限は最大5000人となる。その場合、開閉会式を筆頭に首都圏の野球やサッカー会場等も無観客となりそうだ。この日、定例会見を開いた橋本会長は「何があっても有観客とは思わない。無観客も覚悟」と強調した。組織委は8日か9日に政府や国際オリンピック委員会(IOC)等と5者協議を開き、観客上限を決める。

夜間に試合がある一部会場も無観客となる方向だ。バスケットボールの午後9時開始が11試合ある「さいたまスーパーアリーナ」などについて、橋本会長は「首長に権限がある。所在地トップが厳しいと言えば、当然そう決定されるべき」と尊重する考えを示した。

組織委は上限が5000人になった場合、人数も50%も下回る会場のチケットは生かしたい考え。一方で全会場を一律に無観客とする案も選択肢として残る。決定前の6日未明には上限1万人に絞り込む再抽選の結果通知が控える。組織委は見直しを進めているが、延期の案内は週明け5日になる可能性が高いという。