日本サッカー協会(JFA)は22日、東京オリンピック(五輪)に出場するU-24日本代表メンバー18人を発表した。

エースとして活躍が期待されるMF久保建英(20=ヘタフェ)、MF堂安律(23=ビーレフェルト)らが順当に選出。オーバーエージ(OA)には6月の活動で合流したDF吉田麻也(32=サンプドリア)、MF遠藤航(28=シュツットガルト)、DF酒井宏樹(31=浦和)がそのまま入った。

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サプライズはゼロ。抜てきは不要な陣容に森保監督は「現時点でのベストメンバー」と明言した。特に激戦区となった2列目、オーバーエージ(OA)が起用されたDF陣では海外組からも落選者が出るなど、し烈なポジション争いだった。

招集に拘束力がない五輪では大成功といえるチーム編成。日本協会の反町技術委員長は「失敗から学んだ前進」と語った。自身が指揮をとった08年北京五輪ではクラブとの交渉がうまくいかない部分があったという。前回の16年リオデジャネイロ五輪ではエース候補だったFW久保裕也が当時所属していたスイスのヤングボーイズの派遣拒否で参加できず、海外クラブへの対応にも課題を残していた。

日本協会はドイツに置いた拠点を生かし、東京五輪に向けた招集の交渉も進めてきた。欧州各国リーグでは新シーズンに向けた準備期間が五輪と重なる。国際委員が各クラブを回り、事前の通達に対して返事も受け取るなどコミュニケーションを増やした。海外組は前回大会の2人から今大会は半数の9人。海外へステップアップする選手が増えたからこそ発生した課題をしっかりとクリアした。

そうして選ばれた五輪世代15人のうち、12人がすでにA代表の舞台も経験している。森保監督のA代表と五輪代表の兼任効果の表れだ。いち早くOAを合流させることにも成功し、反町技術委員長も「今の段階では1歩リードしている」と自信を見せた。68年メキシコ五輪で獲得した唯一のメダルである銅を大きく上回る金メダル獲得は夢ではなく、現実的な目標になる。【岡崎悠利】