女子の前田マヒナ(23)が8強入りを果たし、9位の都筑有夢路(あむろ、20)とともに東京オリンピック(五輪)出場権を獲得した。これにより条件付き内定を得ていた松田詩野(18)は代表入りを逃した。

8強入りを果たした前田に、国際連盟のフェルナンド会長から待ち望んだ一報が届いた。競技後のインタビューでその内容を明かし「私クオリファイです!日本代表になりました。オリンピック行きます」。両手を突き上げて、顔にはこれ以上ない笑みを交えて喜びを表現した。

5回戦1組で3位となり敗者復活8回戦に回った際には「メインラウンドのヒートで負けて、タオルに思いっきり『キャー』と言って」と感情豊かに振り返った。悔しさをかみしめながら、それでも気持ちを切り替えた。

「点数は伸びなかったけど、良い波をつかんでメークしたから」と1本目で6・00点をマーク。その後も5点台後半の点数を重ねるなど、トータル11・80点。2位通過を果たした。 一方、同じ組にいた都筑は8・36点で3位で敗退。ただ、勝ち上がった選手の中にプロツアーの成績で代表権を得ていたり、五輪出場枠の定員(各国男女最大各2枠)に既に達している国の選手がいたため、2人が出場権を獲得した。

昨年11月のジャパンオープンで優勝を飾った際には、「波乗りジャパン」入りができたことへの喜びがあふれた。日本人の両親のもとで生まれた前田にはハワイで長く生活してもなお、「サムライのプライドが強いから」と母国への憧れが強い。

「『侍』みたいに気合入れて頑張ります」と意気込んでいた五輪最終予選。見事代表の座をつかんだが、目標はそこではない。日本とハワイで日頃サポートしてきた人たちのためにも、大会優勝という吉報をさらに届けるつもりだ。

◆前田(まえだ)マヒナ 1998年(平10)2月15日、日本人の両親のもとハワイ・オアフ島で生まれる。5歳からサーフィンを始め、6歳から大会に出場。13年に全米、世界ジュニア選手権で優勝し、翌14年にはWSLのQTランクで18位に入った。好きな食べ物は、卵かけご飯とメロンパンと不二家のバウムクーヘン。嫌いな食べ物は、セロリとお茶。趣味は山登りと滝で泳ぐこと。家族は両親と姉。162センチ、58キロ。