日本人の母とインドネシア人の父を持つ異色のサーファーが、東京五輪の舞台で表彰台を狙うと決意を見せた。

今大会で初めて実施されるサーフィンで出場権を獲得したインドネシア男子代表の和井田理央(21)が14日、オンライン取材に応じた。母の母国である日本で行われる五輪に期待を膨らませ、残り1カ月余りに迫った本大会に向けて万全の準備を誓った。

和井田は今月の東京五輪最終予選を兼ねたワールドゲームズ(WG)に出場。自身は25位と振るわなかったが、他の選手の結果によりアジア枠を獲得した。「負けた時はオリンピックはもう駄目かなと思ったんですけど、(大会)最終日にコーチから『クオリファイだよ』と言われて、超うれしかった!」と感情を込めながら振り返った。

母・薫さんの母国である日本で生まれ、5歳の時に和井田はインドネシア・バリ島に移り住んだ。移住後に両親の影響で競技を始めた。海が嫌いで浜辺で砂遊びを楽しんでいた子は、周りの友だちと遊ぶうちに競技にのめり込んだ。16歳で世界各地を転戦し始め、ワールドサーフリーグ(WSL)など主要大会に出場。持ち前の高いエアを披露し、19年に宮崎で行われたWGではアジア2位に入った。

母の故郷で行われる五輪について和井田は「僕のファミリーも楽しみにしている」と話し、本大会で対戦したい日本人選手に五十嵐カノア(木下グループ)の名を挙げ「カノア君と当たって勝ちたい」と力強く宣言。大会会場の千葉一宮町の釣ケ崎海岸は、14歳の頃から既に10回ほど訪れたことがある慣れ親しんだ地。その土地ならではの小さな波の特徴に体とボードをフィットさせ、本番に向けて備えていく。

◆和井田理央(わいだ・りお)2000年1月25日生まれ。5歳まで生まれ故郷の日本で過ごし、建設業界で働く父・ムハマッザイニーさんと母・薫さん、弟の龍貴と共にインドネシア・バリ島に移住。好きな料理は母が作る手料理で「(好きな物は)ハンバーグ、シチュー、カレー」。日本滞在時の楽しみはコンビニエンスストアやレストラン巡り。