白血病から復帰した競泳女子の池江璃花子(20=ルネサンス)が、挑戦者として代表選考会に出場する。日本選手権(4月3~10日)を前に2日、東京アクアティクスセンターで練習。非五輪種目の50メートルバタフライ優勝を掲げた。その上で400メートルリレーの選考になる100メートル自由形について「楽しみな種目」と表現。大目標のパリ五輪は変わらないが、アスリートとして真剣勝負を心待ちにした。

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競技者の本能がうずくのか。池江は、生き生きとした表情で言った。「チャレンジャーとして挑みたい。しっかり調整した。万全かなと思う。わくわくしている。半バタ(50メートルバタフライ)で優勝を目指して頑張りたい。1フリ(100メートル自由形)は個人的にいろんな意味で楽しみな種目」。

3年ぶりの日本選手権は、5年に1度となった代表選考会。池江は4種目に出場。勝ち抜けば合計11レースだ。「せっかくの機会なので(資格がある)全種目に出て楽しみたい。どういう結果に転ぶかわからないが、全力で楽しみたい」。

大目標である24年パリ五輪の途上に東京五輪がある。その位置付けは同じだが、楽しみな種目を「1フリ」とした。決勝で54秒42を切って4位に入れば代表内定。「五輪を目指す他の選手に比べて、五輪のプレッシャーを感じすぎずに、この試合に出られる。タイムも(1月の)55秒35よりは確実に上がると思う。どこまで上げられるか楽しみがすごく大きい」とした。

19年2月の入院から2年2カ月。復帰後初の代表選考会となる。「1カ月前から緊張していたが、今までのルーティンでもあった。『あ、こんな感じだった、懐かしいな』という気持ちに浸りながら。楽しみに挑める」。ただしスタート台に立つ以上は、負けず嫌いの性格は抑えられない。「選手は結果を残すのが大事。今の私は結果がすべてじゃないかもしれないけど、アスリートとして結果を重視して泳ぎたい」。しびれる一発勝負の舞台に池江が帰ってきた。【益田一弘】

◆代表選考方法 個人は日本水連が定めた派遣標準記録(19年世界選手権決勝ライン)を突破して2位に入れば内定。対象は決勝のみ。男子個人メドレーは瀬戸が2種目内定で残りは1枠。リレー種目は、リレー派遣標準記録がある。400メートルリレーは、100メートル自由形決勝で同記録を突破して4位に入れば、内定。同記録を突破できなければ、4位以内でも代表から漏れる可能性がある。