日本代表の平井伯昌ヘッドコーチ(57)が大会を総括した。一問一答は以下の通り。

-最終日の50メートル種目を総括

男子50自由形。準決勝を見ると、派遣標準記録になかなか届きそうもない気もしたので、本来であれば、松井選手、塩浦、中村選手も高い記録を持っているので、突破してほしかったのですが、ちょっと残念でした。女子は五輪種目ではないですけど、バタ(フライ)で池江さんがすごく大きな泳ぎで好記録で泳いでいた。注目して、派遣標準記録を切るのでは、と思って見ていた。準決勝に比べると、バタフライよりテンポを上げて小さい泳ぎだったので、本人も記録を狙っていたのではないか、と思いましたが、この8日間の選考会で、表情も体も見違えて以前のようなアスリートになってきたと思う。短期間でこれだけ戻ってくるということは、五輪までに大変期待できるなと感じた。

-1500メートル

最終種目が男子1500で、会場、無観客にもかかわらず、関係者、選手、コーチがみんな竹田君のことを応援してくれていて。1200メートルくらいからギリギリだなという感じがして。すごく努力する選手。この1年間の延長もすごく大変だったろうし、努力をたたえたいなと思いました。

-代表は30人弱。初の選手が多い印象。世代交代というか、若い力が出てきている印象はある

もちろんでございます。初代表といっても、初ナショナルAチーム代表も何人もいるし、初五輪、松元選手もそうだし、大橋選手、青木選手もそうだし、初ナショナルA代表となると、佐藤翔馬選手もそう。五輪は、ほかの競技会に比べると特別な雰囲気もあります。初五輪代表の選手が金メダルだったり、メダルを狙ってくる人数が多いので、コーチ、スタッフだけでなく、入江選手のような大ベテラン、瀬戸、萩野、両選手たちの力も大きく借りて、若い、初代表の選手が力をのびのび発揮できるチーム作りができれば。

-スケジュールは

明日(11日)から合宿。15日まで。派遣チェックだったり、ミーティングだったり、練習もしたり。皆さんの取材も。その後いったん解散して、次にみんなが集まるのはジャパンオープン直前。その後、3回目にみんなで集まるのが五輪直前。強化拠点をどこにするのか、とかを明日、話し合う予定です。

-コロナが影を落としている

それでも月1回、みんなで集まることはできるので。コーチを入れたミーティングだけでなく、選手同士で連絡を取り合ったり。とにかく、長いようであっという間の3カ月。まずはコロナ感染とかに気をつけていきたいと思います。

-代表総数がリオの34から29に減り、個人種目の突破は増えている。全体的なバランスは

正式な選手の発表前に私が細かい数字を申し上げられないが、ほぼリオと同じ人数。内容的にもレベル的にも人数的にも、ほぼ同じなのでは。代表に惜しくも入れなかった選手もいる。予定通りとは言えないけれど、人数的にも内容的にも満足できるものかなと思います。

-金メダルを狙う選手への期待を

まずは、例えば松元選手であれば既に19年の世界水泳で銀メダルを獲得しています。初代表の佐藤翔馬選手に至っては、そういった経験がない。おまけに決勝が朝10時半から。北京(08年五輪)と同じ朝決勝。その時の経験を知っている選手は入江選手しかいない。コーチになると、私と鈴木コーチ。リオの時もそうだが、予選が夜に始まる、その予選がレベルが高い予選だった。北京の時は。レーザーレーサーの水着もあった。翌朝、準決勝。さらに記録を上げていかないと残らない。そういった難しさもあった。通常の朝予選、午後準決勝、翌日午後決勝とは違う。そういった経験も伝えていかないといけないけど、朝対策はいつから始めるのか。北京の時はすごく早く始めた選手もいるし、北島康介、中村礼子、上田春佳に対しての朝対策は、米国から帰国して本番の約2週間前からだった。ただでさえ、メダル、金メダルを狙って大変なのに、地元開催で朝決勝…。鈴木先生だったり、入江君のお力も借りながら、伝えられることがあれば伝えていきたい。