来夏に延期された東京五輪で卓球男子代表の水谷隼(31=木下グループ)が約10カ月ぶりに実戦形式の試合に臨むのを前に16日、インタビューに応じた。18日、母校明大の90周年記念試合に同じく五輪代表の丹羽孝希とともに出場する。

コロナによる中断から11月に再開する国際大会に張本、丹羽は出場する一方で水谷は出場しない。それでも「焦りはない」。長らく海外勢との試合をしないと、自身の力を測りかねるとの見方もあるが、「何千試合とやってきたので戦わなくても分かる」と確固たる自信がある。

スポーツ大会が徐々に日常を取り戻す中で来夏の東京五輪開催が現実味を帯びてきたかに見える。しかし、「フランスなどで(1日当たりの)感染者が過去最多になった。日本は良くなっているけど、世界の感染者数は増えており日本と世界のギャップは感じる」とニュースを見聞し、冷静に情勢を見ている。その上で開催の有無について「考えても答えはない。選手として先のことは考えず目の前のことに集中するだけ。まずは来月開幕するTリーグに向いている」と語った。

東京五輪後の選手生活についてあらためて「日の丸を背負うことはなくなると思う」と、これまでの主張を変えることはなかった。その場合、Tリーグに参戦し続けるか、もしくはラケットを置く選択肢を取る可能性もあるという。

9月の代表合宿では五輪混合ダブルスでペアを組む伊藤美誠と約2時間、練習した。「美誠は一段と技の威力が上がった。コンビネーションも非常に良く、金メダルの可能性は全然ある」と自信をのぞかせた。

18日、母校明大で行われる記念試合。3月のカタールオープン以来となる実戦形式の試合だ。OBには五輪代表の丹羽や世界選手権団体戦代表の森薗政崇らがいる。現役生も今年の全日本選手権を制した宇田幸矢、同3位の戸上隼輔がいて「現役生5人対OB5人」による団体戦での熱戦が期待される。水谷は「現役、OBともに強い。楽しみたい」と意気込んだ。

試合は明大卓球部公式Youtubeチャンネルで配信予定。18日午後0時30分から配信を開始し、試合は同1時に開始する。【三須一紀】