女子テニス世界3位の大坂なおみ(23=日清食品)が31日、全豪前哨戦出場のための会見で東京オリンピック(五輪)への思いを明かした。7月23日に開幕が予定されている五輪について、一般の人の安全が最優先ながら、出場するなら特別な経験になると話した。大坂は昨年優勝した9月の全米以来の公式戦で、自身の今季初戦を、この日開幕した全豪前哨戦でスタートさせる。

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新型コロナウイルスの感染拡大で、開催が不安視される東京五輪に向けて、大坂の気持ちにもさざ波が立つ。「最も大事なのは日本の人たちの安全。それが最優先」。五輪を開催するということは「各国から人が来るということ。それには不安な人は多い」と気づかった。

それでも「開催されれば、選手は出場したいと思う」。大坂は4大大会にデビューした当時から、「夢は東京五輪に日本代表として出場すること」と公言してきた。あくまで安全が最優先だが「東京五輪は、私にとって特別中の特別。2週間、隔離をしても(開催されれば)五輪には出場するだろう」と思いを寄せた。

隔離といえば、大坂は15日にオーストラリア・アデレード入り。1月29日に2週間の隔離から解放されたばかりだ。規則として1日2時間の練習を含む5時間の外出が許可されていたため「いい練習と準備はできている」。すでにS・ウィリアムズ(米国)との非公式戦を行った。

非公式戦では約4000人の観客が入った。8日から始まる4大大会今季初戦、全豪オープンには、制限はあるが1日最大約3万人まで観客を入れる予定だ。大坂にとっては、昨年1月の全豪以来の有観客試合となる。「最高の気分。お客さんと楽しみたい」。

まずは今週、メルボルンで行われる全豪前哨戦で今季をスタートさせる。第2シードで2回戦からの出場で、同53位のコルネ(フランス)-同69位のトムリャノビッチ(オーストラリア)の勝者との対戦となる。続く全豪には「危険な選手がいっぱいいる。ベストなプレーをしなくては」と、19年以来の全豪制覇に向け気を引き締めた。

◆大坂の今後 8日開幕の全豪オープンに出場した後は、3月23日からのマイアミオープンに出場予定。その後は未定だ。テニスの世界ツアーは、暫定的な大会日程が発表されてはいるが、新型コロナウイルスの状況によって、どのようになるか不明。マイアミ後、同ツアーは欧州が主戦場となる予定だ。