新型コロナウイルスの感染拡大を受け2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピック大会組織委員会が、五輪聖火到着式を「無観客」で開催する方針であることが3日、複数の大会関係者への取材で分かった。

式典に参加予定だった子ども約200人と、一般来場者約420人の参加を見送り、関係者のみで実施する方向。新型コロナの影響で、聖火リレーの計画が変更されるのは初めて。

20日に航空自衛隊松島基地(宮城県東松島市)で行われる到着式には、東日本大震災の被災地、東松島市、石巻市、女川町の子ども約200人が参加予定だった。しかし、政府の臨時休校要請が春休みまでとなったことで20日の式典に出席することが難しい状況となった。一般来場者向けの立ち見席も場所が狭く密集するため、感染防止の観点から取りやめる方向。

組織委は4日に新型コロナに対する聖火リレー基本方針を、国際オリンピック委員会(IOC)理事会に説明する。同方針には、都道府県の聖火リレー実行委と組織委が都度、協議した上で、必要であれば沿道観戦の自粛を要請することや、「セレブレーション」と呼ばれる日々の到着式でも、地域の状況に応じて一般客の入場規制を敷くなどの対応策が盛り込まれる。

26日に福島・Jヴィレッジで実施する、なでしこジャパンを第1走者とした出発式も、一般客を入れず関係者だけで行う「無観客」が検討されている。ただ、政府が示した2週間の大規模イベント縮小要請が延長されなければ、通常通り実施する可能性もある。