東京オリンピック(五輪)の聖火リレーについて、政府が新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から著名人ランナーの見送りを検討している問題で、大会組織委員会が公道以外の場所に著名人を配置する案を検討していることが15日、関係者への取材で分かった。公道では著名人目当てに密集する可能性がある観衆を規制できない点が懸念されている。

案では公園などが検討されている。公園であれば入場制限措置が取れ、密を回避することが狙いだ。2月に行われたリハーサルでは女優石原さとみが公道を走り聖火の受け渡しをする際、撮影する報道陣や観衆が群がり「密」をつくった。関係者は「それは避けなければいけない」と語った。

組織委としては著名人ランナーの見送りは避けたい考えで今後、政府と協議し理解を得ていく。人選した自治体やスポンサーにとって著名人はPRのため重要。組織委の武藤敏郎事務総長はこの日「著名人だからといって走れないのはどうか。各自治体に著名人でも走れる工夫を考えてもらっている。それができなければ難しい」と語った。

また組織委の担当者は国内で感染が拡大し、緊急事態宣言が出る状況になれば常識的にリレーは中断する考えを示した。他にも日々行う到着式などの聖火イベント会場には入場制限をかけ、予約制にする方針だ。

来年3月25日に福島のサッカー施設Jヴィレッジを出発する聖火リレーはこの日、100日前を迎えた。組織委は約1万人のランナーや47都道府県を回るルートについて延期前の計画を基本的に踏襲すると表明。東京スカイツリー(墨田区)もライトアップされた。