25日にスタートした東京オリンピック(五輪)聖火リレーの福島・Jヴィレッジに次ぐ第2区間、一般観覧が可能な最初の自治体である楢葉町のリレーが、密の発生などトラブルなく終了した。

スタート地点の楢葉町役場には、地元住民が集まって祝福ムード。ならは天神太鼓うしお会と楢葉南北小学校の3年生による和太鼓の演奏の後、第1走者を務めたNTTの渋谷直樹副社長(58)が走りだした。

11年の東日本大震災発生時、福島支店長を務めていた渋谷氏は「通信の復旧や避難所などで皆さまの力になれれば、とやってきた。その後も毎年、福島に来て復興状況を確かめるようにしている。アスリートとともに感動を、世界に平和を発信したい。この楢葉町でスタートできて感無量」と喜んだ。

約1・09キロの全区間のゴール地点、みんなの交流館ならはCANvasでは、楢葉町マスコットキャラクターゆず太郎の着ぐるみ姿の松本幸英町長(60)が最後の走者を迎えた。「ここまで復興してきたこと、元気な姿を、支援してくださった世界や日本の皆さまにお見せしたい。いよいよ、全国の自治体のトップを切って聖火リレーがスタートします。復興のトップランナーとしても頑張っていきます」と話した。町立あおぞらこども園の園児による出迎えもあった。

福島第1原発の事故後、楢葉町は全町民が避難を余儀なくされたが、現在は6771人のうち4050人が町内居住している。

沿道では、主に拍手や手を振る応援が行われ、人垣が二重、三重になるような箇所はなかった。