男子フリースタイル92キロ級を高谷惣亮(31=ALSOK)が制し、男子では異例となる4階級制覇、史上3人目の10連覇を達成した。東京オリンピック(五輪)代表で唯一出場した男子グレコローマンスタイル60キロ級の文田健一郎(25)は、2年ぶり3度目の優勝を果たした。  

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ただ1人東京五輪代表として出場したグレコ60キロ級の文田が、新たな攻め方を模索しながら2試合を勝ち、優勝を決めた。決勝では右の巻き投げを3回繰り出した。ポイントにはつながらなかったが、「形は作れた」とうなずいた。2-1の辛勝でも、貴重な実戦機会に収穫を得た。

会場では、代表の座を争ったリオ五輪銀の太田と久々に再会。年末のRIZINで総合格闘技デビューする日体大の先輩に「スパーやりましょう」と持ちかけると、革靴を脱ぎながら「いいぞ」と冗談で応戦されたという。「お互い別の道に進み始めた。自分は自分で決めた道をいきたい。恥ずかしくない、やっぱりお前とやれてよかったと思わせるぐらいの結果で、日本のレスリングを引っ張っていきたい」と誓った。