【ロッテ松川虎生・前編】CS配球をインコース攻め…捕手の先輩として、伝えたいこと

選手の技術面に加え、人間性やドラマにも迫る田村藤夫氏(64)の「プレミアムリポート」はロッテの21年ドラフト1位、高卒2年目の松川虎生捕手(20=市立和歌山)です。今回は前後編の2回にわたり、松川捕手の内面に迫っています。

プロ野球

◆松川虎生(まつかわ・こう)2003年(平15)10月20日、大阪・阪南市生まれ。鳥取東中では貝塚ヤングに所属。市和歌山では3年春にセンバツ出場。高校通算43本塁打。21年ドラフト1位でロッテ入り。1年目の昨季は、高卒新人捕手では史上3人目となる開幕戦先発出場。4月10日オリックス戦で佐々木朗の完全試合をアシスト。球宴では高卒新人捕手で初のファン投票選出。今季は1軍9試合の出場で打率1割8分8厘、1打点。プロ通算76試合で打率1割7分3厘、0本塁打、14打点。178センチ、98キロ。右投げ右打ち。血液型A。今季推定年俸2400万円。


◆田村藤夫(たむら・ふじお)1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受けたが、日本ハムに残留。96年オフには、ダイエー(現ソフトバンク)王監督から直接電話を受け、移籍を決断した。07年からは、中日の落合監督に請われ入閣。捕手としてONと落合氏から高く評価されたが、本人は「自分から人に話すことではない」とのスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。@tamu2272

高卒捕手ということで、田村氏も自分と同じキャリアでプロに飛び込んできた松川捕手にはずっと注目してきました。

プロ1年目から公式戦に出場を続けてきた活躍には目を見張るものがありました。佐々木朗希とのバッテリーで完全試合を達成したことも含め、1軍で研鑽を積み、素晴らしいルーキーイヤーとなりました。

それだけに、その後の松川君にずっと注目していました。今季はファームが続いていたことからも、なにがしかの壁にぶつかったのかと感じていました。

こうして松川捕手とインタビューするチャンスに恵まれ、田村氏の口調も、いつにも増して熱を帯びています。

「去年できなかった経験」

田村氏えーっと、はじめまして。今は秋季練習中ですね。キャンプ中だね。まずは今シーズン、お疲れさまでした。

松川はい。ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。

田村氏今年1年を振り返って、どんな思いでいますか。

松川まあ、そうですね、えー、まあ、去年できなかった経験を、2軍の方で、たくさん経験させていただきました。そこは、すごく、自分にとっても、プラスだったと思います。

それがシーズン終盤、1軍に呼んでいただいて、試合に出させていただいて。そこはすごく、良かったかなと思います。

田村氏去年は1年目で76試合かな?

松川はい。

田村氏それで、今年が…、9試合。あれだけ去年は試合に出ていて、今年がその~、9試合しか出られなかったというところで。そこにどんな原因があると自分では考えてますか?

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1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。