【蔵出し】初勝利を目指す根尾昂が「ずっと考えてて」気付いた「一番の課題」/前編

田村藤夫氏(64)が中日根尾昂投手(23=大阪桐蔭)を取材し、23年シーズンを振り返ってもらいました。インタビューは10月にフェニックスリーグで行ったものです。前後編でお届けします。前編はプロ初勝利に届かなかった部分を、根尾投手がどう自己分析しているか、田村氏がじっくり聞いています。

プロ野球

◆根尾昂(ねお・あきら)2000年(平12)4月19日、岐阜県生まれ。小2から古川西クラブで野球を始め、古川中では飛騨高山ボーイズに所属。大阪桐蔭では1年夏からベンチ入りし、2年春、3年春夏で優勝。4球団強豪の末、18年ドラフト1位で中日に入団。3歳から始めたスキーでは、中学2年時にアルペンスキー回転で日本一となり、世界大会にも出場した。内外野をこなし、22年途中から投手に登録を変更。23年は2試合に登板し勝敗なし、防御率0・71。177センチ、78キロ。右投げ左打ち。


◆田村藤夫(たむら・ふじお)1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受けたが、日本ハムに残留。96年オフには、ダイエー(現ソフトバンク)王監督から直接電話を受け、移籍を決断した。07年からは、中日の落合監督に請われ入閣。捕手としてONと落合氏から高く評価されたが、本人は「自分から人に話すことではない」とのスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。@tamu2272

撮影・田村藤夫

撮影・田村藤夫

「これ持ちましょうか?」

田村氏お疲れさま。ちょっと残念だったけど、23年シーズンは、初勝利はお預けになったけど、登板した試合ではいずれもナイスピッチングだったな。

根尾じゃが(石橋のニックネーム)のおかげです。

田村氏えっ! おい、いきなりか! まあ、いいよ。せっかくフェニックスに来たから、何か自分で課題みたいなものを持ってきたのかどうか、そこを教えて。

根尾あのう、シーズン中に勝ちがつかなくて。で、これ持ちましょうか?(田村さんの荷物を持とうとする)

田村氏あっ、いや、大丈夫。ありがとう。

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1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。