【無料会員記事】さぁ甲子園!横浜・村田浩明監督「家族がいるから頑張れる」/特別編

今春のセンバツ高校野球で全国優勝を飾った、横浜(神奈川)の村田浩明監督(39)。「家族の存在は大きなモチベーション」とパワーにかえて、107回全国高等学校野球選手権大会(8月5日~22日、甲子園球場)の代表切符も勝ち取りました。2年続けて「戦国神奈川」の決勝で敗れていましたが、準々決勝の平塚学園戦、準決勝の立花学園戦、決勝の東海大相模戦とすべて逆転勝ちし、王者の底力を見せました。2018年の大阪桐蔭以来となる史上9度目の春夏連覇へ、「全員野球」を掲げて頂点を目指します。大会期間中の7月17日、39歳の誕生日に長男大成君(11)から受け取った〝勝利の手紙〟。甲子園でもこの手紙を携えて戦います。横浜は8月8日、敦賀気比(福井)と初戦を迎えます。

高校野球

◆村田浩明(むらた・ひろあき)1986年(昭61)7月17日、神奈川・川崎市出身。横浜では2年時に正捕手として涌井秀章(現中日)とバッテリーを組んで03年センバツ準優勝、04年には主将として夏の甲子園ベスト8進出。日体大へ進学し、卒業後は霧が丘で野球部長として4年、白山では7年間、監督を務めた。21年の夏には監督として初めて甲子園出場を果たし、2025年の春の選抜高校野球では母校を19年ぶり4度目の優勝へ導いた。保健体育教諭。

■深夜のグータッチ

7月27日の東海大相模との決勝戦を制し、グラウンドで歓喜の胴上げ。祝勝会や関係者へのあいさつなど多忙を極め、横浜市内の自宅に戻ったのは午前0時すぎ、日付は変わっていた。

「妻が起きて待ってくれていました」。玄関で出迎えた詩乃さん(39)は、笑いながらも目は涙ぐんでいた。村田監督が「ありがとう!」と差し出す右手に、詩乃さんも「おめでとう! 良かったね」とグータッチで応えた。

多くの言葉はいならなかった。夏はこの2年、神奈川大会の決勝で敗れ、誰よりも身近にいた家族が、村田監督の落ち込んだ姿を知っていた。悔しさで朝方まで眠れなかった苦い思い出…この日はうれしくて寝られなかったという。長男の大成君は就寝していたが、決勝戦のテレビ中継の録画を2人で夜中まで見続けた。

村田監督が詩乃さんに「最後の胴上げ投手の前田は、よく頑張ったから投げさせた。全員野球だから」などと解説しながら、喜びの余韻に浸った。これ以上ない至福の時だった。

詩乃さん本当に夢のような時間でした。2年間、主人のすごくつらい姿を見てきましたから…。夏の大会に入って、この3年では一番、落ち着いていたように見えました。センバツで優勝して、チーム力というか、選手への自信、信頼があると感じていました。選手としっかり関係性ができているから、余裕ではないでしょうけど、いい意味でリラックスして挑んでいたように思います。

「楽しんで」と言うと「おまえは気楽でいいなぁ」と言われますから(笑い)。家から送り出す際には「いつも通りだよ」と言葉をかけていました。

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野球

平井勉Tsutomu Hirai

Kumamoto

1967年、熊本市生まれ。1990年に入社し、プロ野球の西武、ヤクルト、巨人などを担当。米ロサンゼルス支局時代には大リーグを担当し、野茂英雄、イチローらを取材した。
野球デスク、野球部長、経営企画本部長などをへて現職。著書「清原和博 夢をつらぬく情熱のバッター」(旺文社)「メジャーを揺るがす大魔神 佐々木主浩」(旺文社)がある。