【谷繁元信】マエケンを訪ね沖縄へ メジャー帰りの前田健太と交わした2人の約束

日刊スポーツ評論家の谷繁元信氏(55)と楽天前田健太投手(37)の特別対談が、楽天の沖縄・金武キャンプで実現しました。メジャーから日本球界へ復帰したマエケンは、谷繁氏が今季最も注目している〝新戦力〟です。現役時代、球宴で2度バッテリーを組んだ間柄で、お互いしのぎを削った相手だからわかる秘話などを明かしてくれました。2013年の日本一以来、優勝へ遠ざかるチームに、マエケンは刺激を与えることができるのか―。熱く交わした2人の約束とは―。谷繁氏が対談で感じた、現代にマッチしたリーダー像を説く「解説」とあわせてお読みください。【取材・構成=平井勉、山田愛斗】

プロ野球

★谷繁元信×前田健太 特別対談の主な内容

  • マエケンが語る楽天での新たな役割とは
  • 球宴バッテリーで気づいたスライダーの秘密
  • 2人が交わした「約束」の中身

◆前田健太(まえだ・けんた)1988年(昭63)4月11日、大阪府生まれ。PL学園で甲子園2度出場。06年高校生ドラフト1巡目で広島入団。在籍9年で最多勝2度、最優秀防御率3度、最多奪三振2度、沢村賞2度、ゴールデングラブ賞5度。15年オフにポスティングでドジャース移籍。20年からツインズ、24年からはタイガースに所属。25年5月に自由契約となり、その後はカブス、ヤンキースのマイナーでプレー。25年オフに楽天入団。185センチ、83キロ。右投げ右打ち。


◆谷繁元信(たにしげ・もとのぶ)1970年(昭45)12月21日、広島県生まれ。江の川(現石見智翠館)で87、88年夏の甲子園へ出場。8強入りした88年は、島根大会全5試合で計7本塁打を放った。同年、ドラフト1位で大洋に入団。98年に38年ぶりの日本一に貢献。01年オフに中日へFA移籍し、リーグ優勝4度、07年には日本一。15年の引退までプロ野球記録の3021試合に出場し、27年連続本塁打、ベストナイン1度、ゴールデングラブ賞6度。16年は監督専任。右投げ右打ち。

対談を行い、写真に納まる谷繁氏(左)と楽天前田健(撮影・江口和貴)

対談を行い、写真に納まる谷繁氏(左)と楽天前田健(撮影・江口和貴)

先輩へのダッシュ グラウンドで実現した再会

前田投手はグラウンドで待つ谷繁氏の姿を見つけると、ダッシュで駆けつけた。「すみません、お待たせしました。お久しぶりです」と頭を下げた。

先輩をリスペクトする思いが伝わると、谷繁氏は「忙しいところ、ありがとう」と握手を交わした。対談では谷繁氏が巧みな質問で核心をつく答えを引き出せば、前田投手も応える軽快トーク。2人の息はピッタリだった。

谷繁氏楽天に入って初のキャンプ。現在の状態はどうなの。

前田すごくいいです。準備もしっかりしてきたのもありますし、昨年、前半戦が調子悪くて後半戦はマイナーにいましたけど、僕の中で手応えがあって、いい感覚をつかめた。そのままオフに入って、しっかり調整できたっていう感じです。

谷繁氏久々の日本のキャンプでは、どのように過ごしているの。

前田不安もありましたけど、チームメート、スタッフの方が本当にみんな良くしてくれるので、楽しく練習できています。

WBCの日本代表の楽天藤平尚真投手が自身のインスタグラムで、「マエケンさんのお金で焼き肉を食べる会とWBC頑張っての会を開いてもらいました」と前田投手から激励会を開催してもらったことを報告した。

谷繁氏もう早くもチームに溶け込んで、例えば後輩投手へのアドバイスだとか、食事に行ったりしていると聞いている。(投手陣の中で)年齢は一番年上なのかな。

前田上には岸さんがいるんですけど、今、2軍というかキャンプは違う場所にいるので、この中では一番上ですね。

谷繁氏キャリアからすると、やっぱり投手陣のリーダー的存在。そのへんのことを具体的に意識して何かやっているの。

前田実は食事とかは僕がどんどん誘うっていうよりも、若手の選手の方から声をかけてくれたりします。

谷繁氏えーっ、それはすごいね。

楽天前田健(右)と対談する谷繁氏(撮影・江口和貴)

楽天前田健(右)と対談する谷繁氏(撮影・江口和貴)

前田行きましょうよ、連れて行ってくだいって言ってもらえるので、ありがたいですね。本当、後輩が声をかけてくれて。

谷繁氏どれぐらいの年下の後輩なの。声かけてくれる後輩って。

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野球

平井勉Tsutomu Hirai

Kumamoto

1967年、熊本市生まれ。1990年に入社し、プロ野球の西武、ヤクルト、巨人などを担当。米ロサンゼルス支局時代には大リーグを担当し、野茂英雄、イチローらを取材した。
野球デスク、野球部長、経営企画本部長などをへて現職。著書「清原和博 夢をつらぬく情熱のバッター」(旺文社)「メジャーを揺るがす大魔神 佐々木主浩」(旺文社)がある。