【巨人山口寿一オーナーが熱弁】賭博に頼らずにスポーツ産業を健全に発展させる方策

巨人山口寿一オーナー(68)が米国で隆盛を誇る「スポーツベッティング」について見解を語り、球団価値の見直しを図る、仮称「スポーツ産業振興法」を提唱しました。昨年12月18日、都内で評議員を務める「スポーツエコシステム推進協議会」の会合に出席。会の冒頭で9分間にわたり、熱弁を振るいました。

日本のスポーツ産業の規模が約5兆7200億円ありながら、球団やスポーツクラブに入る金額が15・6%の約8900億円にとどまると問題視。「スポーツの権利の法的な確立を目指し、適正に評価する。潜在的な価値を、例えば球団のバランスシートに計上できる会計ルール構築を図る」とイメージを描きました。

また、米国で盛んな、スポーツの結果などに賭ける「スポーツベッティング」に対しては「深刻な問題が起きています」と問題点を列挙しました。あいさつの全文をお届けします。

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「スポーツエコシステム推進協議会」で9分間

スポーツエコシステム推進協議会で開会の講演をする巨人山口寿一オーナー。同協議会で評議員を務める

スポーツエコシステム推進協議会で開会の講演をする巨人山口寿一オーナー。同協議会で評議員を務める


皆さまこんにちは。ご紹介をいただきました読売新聞の山口です。当協議会の評議員も務めております。


この協議会のカンファレンスも回数を重ねてまいりまして、スポーツの好ましいエコシステムについて、研究と議論が深まってきたと感謝しております。私からは、当協議会のこれまでの調査研究を踏まえて、日本のスポーツ産業の現状と、今後目指す方向について、1つの私見を申し上げて、あいさつに代えたいと思っております。


当協議会が取り組んできた調査研究の1つに、海外のスポーツ産業との市場比較があります。ご覧いただいているのは、日本政策投資銀行さんが調べた、日本と欧米のスポーツ産業の違いを表にまとめたものです。


スポーツの運営側にお金が入らない


日本のスポーツ産業の市場規模は、およそ5兆7200億円で、ドイツとほぼ同水準、フランスを上回ります。スポーツを産業として見た場合、主要なセグメントとしては5つが挙げられます。左の方から1つ目、アパレル及び、スポーツ用品。2つ目がメディア。3つ目がスタジアムやアリーナなどのベニュー。4つ目はスポーツ運営です。


スポーツ運営にはプロスポーツのような「見るスポーツ」と、スポーツクラブのような「するスポーツ」の両方があります。最後5つ目は、スポーツくじ、またはスポーツベッティングです。


セグメント別に売り上げの比率を見ると、日本は欧米に比べて、スポーツの運営側に入るお金が、15.6%とあまり多くありません。ドイツの29%、フランスの25.1%と比べると、スポーツの運営側に入ってくるお金が少ないんですね(写真)


スポーツの運営側ということは、プロスポーツであれば選手やコーチ、それに球団が含まれます。「するスポーツ」であればインストラクターなどの指導者、スポーツクラブの会社などが入ります。


この現状、日本では、スポーツ運営側に入るお金は、年間およそ8900億円と試算されます。市場規模が日本とほぼ同じドイツでは、スポーツ運営側に入るお金は、円換算でおよそ1兆5900億円になりますので、日本はスポーツ産業のそのセグメント間のバランスがあまり良くない。ということは、スポーツを成長させていくのに、十分な金額ではないと思われます。


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野球

斎藤直樹Naoki Saito

Kanagawa

1973年、横浜市生まれ。金沢高ー早大。97年日刊スポーツ入社。整理部、関連会社出向、グラフィックス班を経て、静岡支局で常葉学園菊川の甲子園優勝を見届けた。
08年から野球部。記録担当(セイバーメトリクス)、アマチュア担当、遊軍、NPB担当、デスク、DeNA担当を経て、現在はMLB担当。24年はドジャースの韓国開幕戦と地区優勝を現地で見た。訪問したメジャー球場は9。全球場制覇とファンタジーキャンプ参加が夢。著書に電子書籍「メモリー球譜」。
趣味はファンタジーベースボールと城めぐり、株式投資。最近はジムでの筋力トレーニングと少年野球のコーチに、はまっている。