【みゆしょー物語〈下〉】りくりゅうが拓いた道「でも、他人任せじゃだめ」壁を越える

フィギュアスケートで21年夏にペアを結成した柚木心結(16)、市橋翔哉(24)組は、26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指して歩み始めた。初めてペア競技に挑戦する柚木は一から技術を身に付ける日々。互いを尊重し、目の前の壁を乗り越えながら1歩ずつ進んでいる。3回連載の下編。

フィギュア

<26年五輪を目指すフィギュアペア>

病室で見た北京五輪

画面越しにも伝わってくるトップ選手の個性を、柚木は目に焼き付けていた。

2022年2月。市橋とペアを結成してから、半年ほどが過ぎていた。

場所は札幌市内の病院だった。病室のベッドの上で1人、北京五輪のペア競技を観戦した。

「『4年後はあそこの舞台に立ちたい』と思いました。いろいろな人の演技を見て、すごく勉強になりました」

年明け間もない1月12日のことだった。

練習でスロー3回転サルコーに挑戦した。

1本目。市橋の手を離れ、空中で体を締めると、降りられる手応えがあった。

2本目。高さが生まれ、回転も足りた感覚があった。「いい感じ」と思った直後、靴を脱ぐと、右足首がズキズキと痛み始めた。

自宅に戻る車中で耐えられなくなり、そのまま病院へ向かった。診察を受けると、原因は三角骨にあることが分かった。

手術をするか、痛みと付き合うか-。

大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。