【友野一希と山本草太】「運命変わった」7年前の出来事 高め合う2人の世界一決定戦

22日に開幕する世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)には旧知の二人が出場します。友野一希(24=上野芝スケートクラブ)と山本草太(23=中京大)。幼少期に滑り始めた場所はともに大阪府。学年差を超えて交流を重ね、そろっての世界一決定戦は初めてになります。

フィギュア

〈世界選手権:3月23日男子シングルSP、25日同フリー〉

22年12月25日、世界フィギュアのメンバーに選ばれ壇上に立つ選手たち

22年12月25日、世界フィギュアのメンバーに選ばれ壇上に立つ選手たち

山本の回顧「一希頼んだ、と電話しました」

昨年末の全日本選手権を終えた後、世界選手権の日本代表が並んだ会見の壇上を見て、あの説明を思い起こしていた。

「けがした当日に『おれ、けがした』『一希、頼んだ』と電話していました。病院に行って棄権すると決まった時に」

7年前の2016年3月、山本草太と友野一希との間でのやりとりだ。昨年10月にインタビューした際に教えてくれた。

世界ジュニアに出発するその日の午前中の練習の最後のジャンプで右足首に骨折を負った山本は、痛みでもうろうとする中で病院に搬送された。

診断が下され、試合に参加することは不可能だと知った。

すぐに頭に浮かんだのは1学年上の親友の事だったという。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。