【巨人浅野翔吾】ワースト3年目…弱さを直視し恥の感情も超えて秋季キャンプ送球練習

巨人の浅野翔吾外野手(20)が課題としてきた送球精度向上のため、秋季キャンプで奮闘しました。プロ3年目でワーストの成績に終わった25年シーズン。22年ドラフト1位への期待を背負い、弱さを直視し、恥の感情も超えて練習に明け暮れました。亀井善行外野守備兼走塁コーチとの二人三脚の日々を描きます。

プロ野球

★記事の主な内容

  • インスタには表情が見えない写真…その真意
  • 自身の送球についてどう考えているのか
  • 亀井コーチ「ミスをわざとさせたい」理由

◆浅野翔吾(あさの・しょうご)2004年(平16)11月24日、香川県高松市生まれ。屋島小3年時に野球を始める。屋島中では捕手でU15日本代表に選出。高松商では2、3年夏の甲子園出場。甲子園通算17打数11安打、4本塁打、8打点。U18W杯日本代表。22年ドラフト1位で巨人入団。23年7月8日DeNA戦(東京ドーム)で1軍初出場。今季は29試合、14安打、打率1割8分7厘、2本塁打、8打点、1盗塁。171センチ、86キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1800万円。

本塁右上空バックホームにも亀井コーチ「大丈夫」

秋季キャンプで送球の指導を行う亀井コーチと浅野

秋季キャンプで送球の指導を行う亀井コーチと浅野

スタンドが少しざわめいた。

10月31日、秋季キャンプ3日目のジャイアンツタウンスタジアムは、平日でも午前9時から座席がみるみる埋まっていった。

飛躍にかける若者たちが一気に寒さ増すグラウンドで歯を食いしばり、体をいじめ抜く。

ウオーミングアップに始まり、ランニングからシートノックへ。

晴天の下に各自が持ち場に列を作り、向かってくる白球に構える。

浅野はライトにいた。

すぐ後ろから亀井コーチがその背中を見守っていた。

ホームからノックバットで放たれたライナーが、外野の芝を勢いよく転がる。

前進して捕球体勢に入った浅野がグラブにボールを収め、右手に持ち替えて腕を振る。

一直線のバックホームは、ただ本塁の右上空にそれて、ファウルゾーンに待機していた選手やコーチ陣は足を動かして避け、見上げ、振り向く形になった。

守備練習で捕球体勢に入る浅野

守備練習で捕球体勢に入る浅野

守備練習で送球する浅野

守備練習で送球する浅野

客席にも、「おおっ」という声が漏れ聞こえた。

群集のどよめいた動きは、外野からでも目に留まるだろう。

瞬間、浅野の耳にある声が届く。

「大丈夫!」

亀井コーチだった。

「もう、やるしかないんで」

ロングティー練習で天をあおぐ浅野

ロングティー練習で天をあおぐ浅野

それは9月4日の岐阜・長良川球場だった。

地方球場開催となったヤクルト戦の試合開始前の外野に、浅野はいた。

スタッフを相手に30メートルほどの距離だろうか、ただただキャッチボールを続ける。

その様子を近くから阿部慎之助監督が見つめていた。時折、身ぶりをまじえる。

まだまだ残暑と呼ぶのは時期尚早の強い日照りの下だった。

ステップを踏んで体を縦に回し、少しぎこちない動きで右腕を振る。ボールは上方に大きく浮き上がり、左翼席の客席の壁にそのまま衝突音を響かせることもあった。

その日の試合。

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2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて17年。25年4月に初の異動で野球部へ配属となりました。競技経験はありませんが、現在は息子が通う少年野球チームで“球拾い”コーチとして奮闘中。記者としても、様々な話題を拾います。ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。クラフトビール好きです。