【友野一希の言葉〈フリー編〉】「あの瞬間だけは自分だけのもの。かみしめて帰ろう」

友野一希(24=上野芝スケートクラブ)が、3度目の世界選手権を6位で終えました。ショートプログラム(SP)7位からのフリーは自己ベストを更新する180・73点、合計273・41点まで積み上げました。4回転に転倒はありましたが、充実感が戦い終えた体を満たしました。

フィギュア

〈フィギュアスケート:世界選手権〉◇25日◇さいたまスーパーアリーナ◇男子フリー

友野一希のフリー

男子フリー上位成績


順位名前SPフリー合計
1宇野昌磨104.63196.51301.14
2チャ・ジュンファン99.64196.39296.03
3イリア・マリニン100.38188.06288.44
4ケビン・エイモズ95.56187.41282.97
5ジェイソン・ブラウン94.17185.87280.04
6友野一希92.68180.73273.41
7キーガン・メッシング98.75166.41265.16
8ルーカス・ブリッチギー86.18171.16257.34
9マッテオ・リッツオ79.28176.76256.04
10アダム・シャオ・イム・ファ79.78173.33253.11
15山本草太75.48156.91232.39
3月25日、男子フリーの演技を終え笑顔を見せる友野

3月25日、男子フリーの演技を終え笑顔を見せる友野

「今まで史上最高の仕上がりだった」

――会心のフリーでした

友野 あの緊張感の中だったら、正直十分じゃないかなって思う。2本目(の4回転トーループ)さすがに悔しかったし、言ってた通り、本当にキーとなる2本目だったんで。サルコーをその後切り替えてできたのはやっぱり練習があったからだと思う。本当に今まで史上最高の仕上がりだったので、もっともっともっと飛躍的に成長したいなっていうのはあったんですけど、なんかまた1つ登ったぐらいの点数。ただ、少しずつでも毎年成長できているっていうのはすごいことだと思うし、今回の世界選手権は初めて心の底からメダルを取りたいっていう気持ちで臨んだので、その中で頑張れたのは、自分の中でいい経験でした。

――メダルを取りたいという気持ちで切り替えられた都のことですが、練習からもその気持ちでやっているのですか。

友野 そうですね。こういう雰囲気を自分の中で作って。昨シーズンちょっと経験していたので、表彰台のかかる中でのフリーっていうのを経験してましたし、常にそれを思い出して、期待のかかる声援だったり、自分の中でイレギュラーなことが起こるっていうのを常に想定しながら練習していたので、落ち着いてできたかな。

――コーチからは何を言われましたか。

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スポーツ

阿部健吾Kengo Abe

2008年入社後にスポーツ部(野球以外を担当します)に配属されて15年目。異動ゼロは社内でも珍種です。
どっこい、多様な競技を取材してきた強みを生かし、選手のすごみを横断的に、“特種”な記事を書きたいと奮闘してます。
ツイッターは@KengoAbe_nikkan。二児の父です。