19年目大庭雅、後輩から向けられる畏敬の念 最善を尽くし「情熱大陸」を舞う

フィギュアスケート女子の大庭雅(28=東海東京フィナンシャル・ホールディングス)が、新境地となるショートプログラム(SP)に挑みます。

19年目のシーズンを迎えた今季は、新SPに「情熱大陸」を選びました。総合12位となった8月のげんさんサマーカップでは、挑戦を決めた理由を口にしていました。

12度目の全日本選手権出場へ、9月22日開幕の中部選手権(愛知・邦和みなとスポーツ&カルチャー)では23日にSP、24日にフリーへ臨みます。(敬称略)

フィギュア

げんさんサマーカップ女子SPで「情熱大陸」を舞う大庭雅

げんさんサマーカップ女子SPで「情熱大陸」を舞う大庭雅

女子フリー「Aesthetic」の曲に乗り演技する大庭

女子フリー「Aesthetic」の曲に乗り演技する大庭

12年の第1回から出場「げんさん」で浴びた喝采

弾むような音色に、手拍子が重なる。その音が大きさを増す。寒々としたスケート場に、熱気が帯びていく。

その熱を生み出していたのが、大庭雅だった。

新SPは「情熱大陸」。「お気に入り」の淡い赤色や薄い青色の衣装に身を包み、軽快に舞った。テンポが上がる中、激しい動きを続けていった。

2分50秒が終わると、観衆が立ち上がった。拍手と歓声が入り交じる。その喝采を浴びながら、照れたような笑みを浮かべた。

「私、げんさんは第1回から出ているんですけど」

2012年の第1回大会にも出場し、毎夏の“恒例行事”となっているげんさんサマーカップ。何年たっても、どんな試合でも、緊張に襲われる。

「緊張で震えて、要素はガクガクしたところが多かったんですけど」

その張り詰めた思いは、観衆の反応の中で解けていった。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。