【こだわりに迫る】田中刑事が作る写真集「僕の“図鑑”だと思う」/インタビュー後編

フィギュアスケート男子で18年平昌五輪(オリンピック)に出場した田中刑事さん(30)の「こだわり」をひもときます。

2022年の現役引退後はコーチ業と並行し、プロスケーターとして活躍。多数のアイスショーに出演し、演技ごとに様々な世界観へと見る者を引き込んできました。

競技者からプロへの転身と並行して、異例の形で写真集を制作。全国の書店には流通させず、完全予約受注生産で進んでいます。

前後編でお届けするインタビューの後編では、写真集へのこだわりに迫ります。(敬称略)

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田中刑事さんの記事一覧 こちらから

2020年7月10日撮影。(写真集未収録)

2020年7月10日撮影。(写真集未収録)

『TANAKA KEIJI #01』表紙用写真 写真/鮫島亜希子

『TANAKA KEIJI #01』表紙用写真 写真/鮫島亜希子

制作の情報や進捗(しんちょく)を発信する「田中刑事写真集公式」には、こう記されている。

「撮影期間4年、制作期間2年半-。数万カットから田中本人が1点1点吟味し、選び抜いた写真の数々を収録しました。フィギュアスケーター≪田中刑事≫の軌跡と記録を、ぜひ一人でも多くの方に味わっていただけたらと思います」

2冊組みの作品には、田中のこだわりがにじむ。

田中スケート人生を1度振り返り「2冊を残すとしたら、これだけ」と考えました。過去の写真をいろいろなカメラマンさんにお願いしたのも「僕のスケート人生を1~2冊にまとめるならこうしたい」「この写真は残したい」「これは残したくない」…。僕の“図鑑”だと思っています。

始まりは面識のない、1人の編集者からの打診だった。2019年から、競技引退後に写真集を刊行するための撮影が始まった。

田中僕は自発的に「作りたいです」というタイプではありません。「どうですか?」と話があり、詰めていって「クラウドファンディングでなら、協力していきます」となりました。

2023年2月から5月にかけて、クラウドファンディングを行った。出版社で刊行という一般的な手法ではなく、納得いくものを作り上げることを選んだ。

田中大きな出版社さんでやるわけじゃなく、制作も個人の小さいところでやっています。監修として写真を選んだり、チェックしたり、ここ1~2年ぐらい、みっちりとやらせてもらっています。そのせいで時間がかかる部分もある。「この写真は雰囲気に合わない」というのも、打ち合わせで出てきて、そこから差し替えてもらうこともあります。今は使う写真がほぼ決まり、印刷に入れる手前まではきている。苦労は制作サイドにもあるし、僕もすごく苦労しました(笑い)。

肝となる写真。複数のカメラマンに依頼したことで、そこには個性が出る。

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大学までラグビー部に所属。2013年10月に日刊スポーツ大阪本社へ入社。
プロ野球の阪神を2シーズン担当し、2015年11月から西日本の五輪競技やラグビーを担当。
2018年平昌冬季五輪(フィギュアスケートとショートトラック)、19年ラグビーW杯日本大会、21年東京五輪(マラソンなど札幌開催競技)を取材。
21年11月に東京本社へ異動し、フィギュアスケート、ラグビー、卓球、水泳などを担当。22年北京冬季五輪(フィギュアスケートやショートトラック)、23年ラグビーW杯フランス大会を取材。
身長は185センチ、体重は大学時代に届かなかった〝100キロの壁〟を突破。体形は激変したが、体脂肪率は計らないスタンス。