10番背負ったセンターバック札幌・宮沢裕樹がチームの「バンディエラ」になるまで

センターバック(CB)をこなす背番号10がいる。北海道コンサドーレ札幌MF宮沢裕樹(33)だ。北海道出身で地元のクラブ一筋15年目。16年から主将を務める「札幌のバンディエラ(チームの象徴)」は、エースナンバーを自分色に染めている。

サッカー

〈保坂果那の札幌レター〉

室蘭大谷高校時代はFWとしてプレー

室蘭大谷高校時代はFWとしてプレー

北海道出身、クラブ一筋15年目の主将

室蘭大谷高(現北海道大谷室蘭高)から08年にプロ入りし、3年目の10年から現在の番号を背負う。最初は葛藤があった。サッカー選手にとっての花形は、宮沢にとって重圧だった。「人を引きつけるプレーをする選手がつける番号。うちで言うと(小野)伸二さんみたいな、誰が見てもうまくてチームの核ってイメージは小さい時から持っていた」。その理想と現実のギャップに苦しんだ。「自分はそっち系のプレーヤーではない」と感じていたからだった。

ルーキーイヤーは25番、2年目は11番だった。3年目の10年シーズンを前にクラブから10番への変更を提案された。当時を「まだ10番をつけるほどの活躍をしていなかった。自分でいいのかなって感じがあった」。だから1度、断った。それでも高卒3年目での“抜てき”に込められたクラブの思いや期待を受け止め、10番を背負う覚悟を決めた。

元ストライカー。プロになって、あらゆるポジションを経験している。加入当時はFWだった。だが、背番号10への変更と同時に登録をMFに変えた。当時はトップ下やボランチなどの中盤でもプレーするようになっていた。すぐに受け入れ、納得できたわけではない。ずっとFWとしてプレーしてきた。「未練があったし、まだFWでチャレンジしたい」という思いもあった。

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スポーツ

保坂果那Kana Hosaka

Hokkaido

北海道札幌市生まれ。2013年から高校野球などアマチュアスポーツを担当し、2016年11月からプロ野球日本ハム担当。
2017年12月から北海道コンサドーレ札幌担当。冬季スポーツの担当も務め、2022年北京五輪ではノルディックスキー・ジャンプや複合を取材。