【箱根駅伝story〈9〉東京国際大】Wエースでシード落ち…令和の強豪の変革

今秋11月5日の全日本大学駅伝(愛知・名古屋市~三重・伊勢市)の関東学連予選会が、神奈川・相模原ギオンスタジアムで行われました。各チーム8人の代表者が2人ずつ4組のタイムレース(1万メートル)を実施し、合計タイムの上位7チームが本大会へ出場します。

昨年の本大会で11位となった東京国際大は4位に入り、5年連続5度目の伊勢路切符を手にしました。

その流れを生み出したのが、1組目で7位でフィニッシュした生田琉海主将(4年)。2組目以降に落ち着きを与える走りを見せました。

チームの根底に流れるのは、1人1人が自分自身と向き合うこと。生田は主将として、その姿を体現しようと努めています。(敬称略)

陸上

〈6月17日全日本大学駅伝予選会@相模原ギオンスタジアム〉

予選会4位で5年連続5度目の伊勢路

全日本大学駅伝・関東学連予選会上位成績


順位大学名総合タイム
1位城西大3時間57分35秒40
2位大東文化大3時間57分50秒77
3位東海大3時間57分58秒89
4位東京国際大3時間59分02秒86
5位東京農業大3時間59分20秒68
6位帝京大3時間59分34秒06
7位国士舘大3時間59分45秒19
上位7チームが本戦への出場権  
8位立教大3時間59分59秒49
9位神奈川大4時間00分07秒27
10位明治大4時間00分20秒02
選考会1組で力走する東京国際大・生田(ゼッケン5)と菅野(ゼッケン25)

選考会1組で力走する東京国際大・生田(ゼッケン5)と菅野(ゼッケン25)

箱根経験なしBチームにいた生田が主将に

歓声が大きくなったかと思えば、すっと静けさを漂わせる。

午後5時30分に始まった1組目は、静と動とが交互に押し寄せるレースとなった。

前半で芝浦工業大のランナーがアクシデントに見舞われた。途中棄権となり、同チームの記録は無効となった。

予選会の怖さを目前で思い知らされた一団は、ゆっくりとペースを刻んでいった。7000メートル手前になると、先頭がギアを上げ始めた。集団が縦に伸びていく。

その中を、東京国際大・生田琉海は確かな足取りで駆けていた。他校のランナーを深追いはせず、チームメートの菅野裕二郎(2年)に視線をやりながら、上位をキープしていた。

チームメートへは、1つの号令を出していた。

「自分ができることをやっていこうと。順位だけを追っていかずに、現状で自分ができることを見失わないようにして、挑むようにしようと声をかけました」

自分ができることを見失わないように-。

その落ち着いた言葉は、この5カ月のチームの道のりを表したものでもあった。

主将の生田。「今年は妥協せずに厳しくいこうということで生活面を徹底しました」」

主将の生田。「今年は妥協せずに厳しくいこうということで生活面を徹底しました」」

6月上旬。埼玉県坂戸市の東京国際大駅伝部トレーニングセンター。

その小さな部屋で、生田は苦笑いを浮かべていた。開け放った窓の向こうから、生ぬるい風が吹く。

「僕自身はあまり、強く言える人じゃないんですよね」

控えめに笑う。ゆっくりとした口調で続ける。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。