昨年、SGの取材に行くたびに思ったことがある。「お客さんの数が増えてないか?」。

昨年SG最終日の本場入場者
昨年SG最終日の本場入場者

別掲の表は昨年のSG最終日の本場入場者数をまとめたもの。決して人口が多くない場所にも、1万人以上が詰め掛けた。施行者の熱意、選手の頑張りがたくさんの人に届き、うれしい気持ちになった。

ファン層の変化も感じる。昨年のグランプリ最終日、記者は11Rのシリーズ優勝戦をスタンドで観戦した。1枠で圧倒的な人気を集めた木下翔太が落水。きっと、濃い~やじが飛ぶだろうと身構えたが、反応は違った。「ショータ 来年こそ、頑張れ!」など、温かい声援が多かった。声を発しているのは、20代後半~40代前半の男性が多かったように思う。そこに、いわゆる「鉄火場」のような雰囲気はなかった。

どんな業界だって、新規ファンの参入がなければ、いずれは廃れる。ワールドカップで火が付いたラグビーではないが、ボート界も“にわかファン”は大歓迎だ。年末の住之江の雰囲気ならば、初めての方も、足を運びやすい。今年はこの流れが、一般戦まで波及することを望んでやまない。