10月からF1、F2の開催が7車立て12R制で行われることになった。7~9月に実施されている9R制より3個レース増える。いろいろな理由があるが、最も大きいのは選手の出走回数を確保するためだ。

競輪は賞金制プロスポーツ。走る場所がなければ生活は成り立たない。4月以降は新型コロナ禍で73節が中止になり収入激減の選手が続出した。その中で参加できた選手は「走れる場所があるだけでもありがたい」と言っていた。この言葉に「走れない」という喪失感の大きさを感じた。

あっせん節数比較
あっせん節数比較

例えば新型コロナ禍前の3月には選手1人あたり2・41回のあっせんがあった。1カ月間に最低でも2節、多い選手は3節走ることもあった。しかし、7月から7車立て9R制になったため出場機会は激減してS、A級の出場機会は同1・73回。実働選手2177人の約1/4にあたる577人が月1節の配分になった。この状況は9月まで続く。

10月以降に3個レース増えたり、G3が9車立て12R制に戻ることで、1人あたり月2節の出場が確保できる。選手にとってほっとする枠組だろう。

当面は来年3月までの措置だが、新型コロナ禍が無事に収束するかどうか分からない。施行者を含めて関係者が7車立てでも売り上げや選手の出場機会が確保できると判断すれば、車券の的中率が高い「7車立て」は完全に定着すると思う。