松山競輪で行われた男子121期、ガールズ122期のルーキーシリーズを取材して、違和感を覚えた。

ルーキーシリーズは20年デビューの117、118期生からスタートして3年目。7月の本格デビューを前に、ファンにどんな選手なのかを知ってもらうために企画されたレースだ。

まず前検日に驚いた。初日に九州の3選手が同乗する番組があったが、3人ですぐに連係する相談を始めた。連係が駄目と言うわけではないが、4月に行われた選手養成所の卒業記念レースの後に練習を重ねて、どれくらい力が付いたかを試す場だと思ったからだ。

結局、A級1、2班戦に出場していた先輩に「それぞれが自分の力で勝負するべきでは」と諭されて、各自が自力勝負となった。

決勝メンバー7人は長い相談の末に、4対3のライン戦を選択した。養成所とは違う「競輪をやってみたい」という意識が強かったのだろう。ラインの2人と力上位の選手で決まり、結果的に手堅かったように見えたが、追走技術を伴っていない選手が多く、レース内容は「ライン戦」とはほど遠いものだった。

きれい事かもしれないが、ルーキーシリーズは徹底して自力で戦ってほしい。同期連係は将来いつでもできる。デビューから2班特昇、S級特昇の道を歩んだ選手は例外なく先行まくりで力を付けたし、上を目指す選手はそれぐらいの気概が欲しい。

ファンもそんな走りを楽しみにしていると思う。