バトルステージを雪上から水上に移して、日々奮闘中! 女子ボートレーサーの素顔に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は中北涼(25=愛知)を紹介する。高校生1年生のときにプロスノーボーダーとしてデビューし、オリンピック出場を目指していたが、世界との壁を痛感して引退。ボートレーサーに転身した。人と話すのが大好きなアクティブ女子の素顔に直撃する。

持ち前の負けん気で体格差をカバーする中北涼
持ち前の負けん気で体格差をカバーする中北涼

 -ボートレーサーになろうとした動機は

 中北涼 ずっとスノーボードのハーフパイプ競技をやっていたんですよ。プロで生活していたけど、そんなに甘くなくて、勝っても食べていける賞金額ではなかったんです。いとこが三重支部の中北将史選手で、彼のデビュー戦で、初めてボートレースの世界を見たのが、きっかけです。聞いたら平均年収がすごいし、「こんな世界があるんだ」と思って興味が湧きました。スノーボードでソチ五輪出場を目指していたけど、無理で辞めてボートの方にいきました。

 -スノーボードは何歳から始めたのですか

 中北 お父さんが趣味でやっていて、小さい頃からやっていました。最初は寒いし、やりたくなかったんですけどね(笑い)。小学生のときに、いきなり全国大会に出場して3位になったんですよ。それで「うち、いけるかも」と思って、そこから競技生活がスタートしましたね。

かつてはプロスノーボーダーとして活躍
かつてはプロスノーボーダーとして活躍

 -雪の上と水の上では違いますか

 中北 ボートは甘くないです。上の人たちの、うまさが全然違います。調整力でも旋回力でも、引き出しの多さはかなわないです。でも、気持ちで負けたら終わると思っています。メンタルはスノーボードで鍛えられたので、強くなっていると思います。

 -休日は何をしていますか

 中北 休日でもスノーボードをやっています。今年は4回ぐらいかな。選手同士でもやりますよ。三重支部の桐本康臣さんを筆頭に、雪山部みたいなのがあるんですよ。いとこが誘ってくれて、一緒に行くようになりました。夏にはサーフィンとかもやります。あとは、師匠の河村了さんの影響で競馬とかもやりますね。人と話すのが大好きなので、かわいがってもらえるならグイグイいってしまいます(笑い)。

孫崎百世(左)と新潟でバックカントリー(裏山滑り)
孫崎百世(左)と新潟でバックカントリー(裏山滑り)

 -好きな男性のタイプは

 中北 おいしいご飯のお店を知っている人がいいですね。ご飯を食べるのが好きで、お菓子とかはあんまり食べないんですよ。主食が好きで、物欲とかはないので。食欲が一番で、そこに頑張ってお金を使おうと思います。

 -最後にボートレースの魅力を

 中北 私は身長が147センチしかないんですよ。私みたいな人が、スポーツで食べていくっていうのは、なかなかないと思うんです。そういう体格で劣勢だと感じている人に、こういう世界があるよって知ってもらいたいですね。私を見て、「こんな小さい人でも選手になれるんだ。じゃあ私もなれるかも」という、きっかけになってくれたら、うれしいです。スポーツはなんでも体が大きい人の方が強いので、ボートレースはその差が少ないと思います。

※次回は5月8日更新予定

土屋南(左)関野文(右)と京都旅行
土屋南(左)関野文(右)と京都旅行

 ◆中北涼(なかきた・りょう)1992年(平4)10月14日、愛知県生まれ。118期生として16年5月常滑でデビュー。17年2月常滑で初勝利。昨年の獲得賞金は552万1000円。今年は299万5000円(3月終了時点)。147センチ、48キロ。血液型A。