女子ボートレーサーの魅力に迫る「ビューティフル・ボートレース」。今回は、湯浅紀香(25=群馬)を紹介する。

准看護師から一転、オートレーサーの父と同じ公営競技のボートレーサーとなった。癒やし系ルックスから想像できない、秘めたる闘志を胸に男女混合の勝負の世界に挑む。


友人にデビュー初勝利を祝ってもらう(本人提供)
友人にデビュー初勝利を祝ってもらう(本人提供)

-患者さんを癒やす准看護師から一転、厳しい勝負の世界へ

湯浅紀香(以下湯浅) 二十歳の時に母と近くの桐生ボートレース場に行ったんです。その時に男女混合戦が行われていて、女子が一緒に男子と渡り合ってる姿を見て、かっこいい、自分もやってみたいと思ったんです。

-准看護師の職場には未練はなかった

湯浅 高校を卒業して2年学校に通って1年間働いてました。でも1度しかない自分の人生、挑戦してみたいと思ったんです。養成所には2度目の受験で合格しました。今は挑戦して良かったと思ってます。

-オートレースの現役レーサーである父(湯浅浩)からは反対はなかった

湯浅 最初は「中途半端な気持ちでは通用しない世界だぞ」と諭されました。それでも熱い思いを伝えると理解してくれて、反対はされませんでした。私も父の走っているレースを現場に見に行ったりして、かっこいいなと思ってたけど、競技は違うとはいえ、自分がレーサーになれるなんて子供の頃は思ってなかったです。

-今は父が一番のファンに

湯浅 ずっとネットで私のレースを見てくれてるみたいです。レースのアドバイスというより、とにかく「事故に気をつけろ」としか言わないですけどね。

-スポーツ経験は

湯浅 中学、高校は卓球をしてました。でも、本格的に身を入れてやってきたわけではなかった。体を動かすことは好きな方だったと思います。

-どんなレーサーになりたい

湯浅 おっとりしていると周りから言われてますけど、ほんとは負けず嫌いなんですよ。攻め切るアグレッシブなレースで活躍したいですね。それに、ファンに愛されるレーサーにもなりたい。デビューしてもうすぐ2年。エンジン出しもターン技術もまだまだ。もっと努力しないといけない。


同期の川原愛未(左)とハートポーズ
同期の川原愛未(左)とハートポーズ

同期の川原愛未(右)と京都の名店を訪れる(本人提供)
同期の川原愛未(右)と京都の名店を訪れる(本人提供)

-オフの過ごし方は

湯浅 趣味がなくて、家でドラマや映画を見てたりしてたんですけど、最近はヨガを始めました。冬場でも汗がかけるのが気持ちいいですね。レースへの体調管理にもつながりますね。あとはショッピングに行ったり、近場をドライブに行ったりしてます。


同期とカラオケ。左から川原愛未、石原凪紗、寺田空詩、山田理央、宇恵有香、刑部亜里紗
同期とカラオケ。左から川原愛未、石原凪紗、寺田空詩、山田理央、宇恵有香、刑部亜里紗

-最後にボートレースの魅力とは

湯浅 最初に見た時に感じたことですけど、やっぱり女子が男子と対等に戦えるところですね。こんな競技はボートレースしかない。私も、男子にも勝てるレーサーを目指します。

※次回は12月13日更新予定

◆湯浅紀香(ゆあさ・のりか) 1998年(平10)10月28日、群馬県沼田市生まれ。129期として21年12月の多摩川でデビュー、22年12月の福岡で初勝利。昨年の獲得賞金は638万3600円。158センチ、47キロ、血液型A。