【帰ってきた山口国男ガイダンスコーナー】(8)

 シャイニングスター賞の深谷知広の走りは、見事のひと言に尽きました。先行する“フリ”をしていったん三谷竜生-村上義弘の後ろに入り、すかさず三谷の一瞬の隙を突いて一気に巻きし返しての逃げ切り勝ち。強かったです。

 期待した関東ラインの平原康多は、またしても5番手で不発。初手から村上につけて、三谷が先行しやすいようにしてあげれば良かったのではないか、と思うのですが…。

 レース予想ではオリオン賞に続く連勝を決められなかったので、3回チャンスがある今日の準決で一気に挽回といきましょう。

 松戸は連日コンディションが良く、今日も気温30度程度で、ほぼ無風。1Rから最終周回3番手以内の選手が勝ったり、まくりに回っても3車で積極的に巻き返したラインから1着が出たり、という傾向です。

 そこで準決も全て、早めに駆けそうな3人ラインの番手から狙うことにしました。

 ◆9R 好気合の新鋭・中井俊亮に思い切り行ってもらえるだけに、(1)稲垣裕之にとってはやりやすい。しぶとい(9)岩津裕介が付けるので、この両者が本線です。割って入れば(3)平原-(5)諸橋愛の関東勢でしょう。深谷知広-金子貴志は評価を下げ、3連単で(1)-(9)(3)(5)-全通り。(9)、(3)、(5)と(4)渡辺晴智の2、3着を厚めにします。

 ◆10R 山本伸一という絶好の目標を得た(3)村上が本命。対抗としては、3番手の(7)南修二より(1)新田祐大が妥当です。(9)吉田敏洋や(5)原田研太朗の機動力も侮れません。3連単で(3)-(1)(7)(9)(5)-全通り。

 ◆11R (3)武田豊樹は矢野昌彦を使えます。2人は7月の函館記念の2次予選でも矢野-武田で連係。矢野は武田を引っ張り切れなかったのですが、武田が最後に自力を出して勝ちました。竹内雄作という強敵がいますが、今度こそ矢野が気持ち良く武田を引き出すはずです。竹内を目標にする(1)浅井康太、武田に続く(9)木暮安由、そして(7)三谷を2着に据えて、3連単(3)-(1)(9)(7)-全通りでまとめます。

 ◆山口国男(やまぐち・くにお)1950年(昭25)8月11日生まれ。東京都荒川区出身。日本競輪学校24期生、松戸をホームバンクとする東京登録選手として67年にデビュー。特別競輪(現G1)優勝こそ果たせなかったが、72年・高松宮杯と73年・競輪祭で決勝3着に入るなど、トップレーサーとして一時代を築いた。フラワーラインの司令塔としても活躍。01年の引退後、松戸競輪場で競輪ガイダンスコーナーの講師を務め、15年オールスターを最後に定年退職。