【ヤマコウの時は来た!】

 ◆6R 日本選手権競輪(ダービー)とは、競輪界の実力日本一を決める大会だ。他にもG1や、最高賞金を誇るKEIRINグランプリ(GP)があるが、ダービーのタイトルが一番欲しいと言う選手も多い。その両方を取った選手が6Rを走る村上博幸だ。

 -ダービーとGP、この2つはどう違う?

 村上 世間一般に分かりやすいのはGPでしょう。優勝したら1億円と賞金王の称号が付いてくる。しかし、ダービーは参加選手162人全員が調整して大会に挑んで来る。その上で6日間かけて優勝を狙う。ダービー王の称号を得るのは一筋縄ではいかないと思います。

 GPは1年のスパンで出場者を決める。負けても次に頑張れば息を吹き返す。ダービーは1度失敗すると終わり。そう考えると、精神的にプレッシャーが掛かるのはダービーだろう。

 -ダービーを優勝した10年、あの時は兄の義弘と連係したがどんな気持ちでレースを迎えたのか

 村上 あの時は、2月の東西王座戦で兄貴と走り、お互い気負いすぎて失敗したので、あまり兄弟を意識せずに走りました。兄弟連係の完成型があのレースだったと思います。

 私も富生と兄弟で走ったことがあるが、やはりいつもと違った感情が私を支配していた。自分よりも弟のことを考えて走ってしまっていた。