青森G3は8日に決勝が行われ、新山響平と兄将史のワンツー決着で幕を閉じました。弟の響平は「一緒に決勝に乗った時点で、目標は達成していたんですけどね」と、最高の結末を喜んでいました。
最近10年のG3で探してみると…
▽村上義弘-村上博幸(10年向日町)
▽村上博-村上義(12年向日町)
▽村上義-村上博(14年岸和田)
▽三谷竜生-三谷将太(18年奈良)
そして、今回の新山響平-新山将史(19年青森)…
村上兄弟は日本選手権でもワンツーがあり、あらためてすごい2人だと感じさせられました。
青森では藤根俊貴-新山響-新山将-伊藤大志で最終ホームを通過すると、スタンドから地鳴りのような歓声が。地元の声援が兄弟ワンツーを後押ししました。
兄将史は今回が地元G3初出場。連係のチャンスは決勝だけでした。前検日こそ「誘導の方が気楽」と言っていましたが、走りを見る限り、万全の仕上がりだったことは間違いないです。弟の番手まくりを離れ気味になりながら追走。表彰式では「あれは車間を切っただけです」と振り返りましたが、もちろん冗談。これで20年の競輪祭の選考基準をクリア。兄弟出場が見えてきました。
一方、悔しがったのは渡辺一成です。別線である以上、勝負に徹しましたが「富山に続いて決勝が駄目」とため息をついていました。
迷わず前受けを選択し、小原太樹が空けた内をすくっての位置取りはレースの中での判断。結果として、この動きが地元の展開になりましたが「あれが作戦なわけがないですよ」。
もし、本当にアシストするなら、前受けから小原を突っ張るか、先に小原を押さえたはず。前半内を突くのに足を使いながら、個人上がり10秒7で6番手から追い込んでの3着は全力を出して戦った結果です。
競輪場には「おもしろ自転車」に乗る子どもたちの姿も見られました。毎年地元ファンが楽しみにしている開催ですが、個人的にも印象深い開催となりました。【山本幸史】