自転車トラック世界選手権で、梶原悠未が金メダルを獲得しました! 日本女子初、男女通じて33年ぶりの快挙達成。その瞬間、一刻も早く速報を打ちたかったのですが、指が震えてパソコンがたたけませんでした…。
長年競技を取材している方は「30年やってきて初めて金メダルを見たんですよ」と喜びをかみしめていました。初めていった私が立ち会うのがもったいないくらい。
梶原さん、おめでとうございます!
それでは、今回は敢闘門ならぬ、ベルリンの名所「ブランデンブルク門」の向こう側をお送りします。
ケイリンではワッキーこと脇本雄太が銀メダル! 1回戦からすべて先行で決勝に進んだ脚力に、金メダルを確信していたのですが…。ワッキーが先にホームから仕掛けた上を、強引にたたき切ったラブレイセンが優勝。スプリントも優勝で個人2冠。つまり、世界最速レーサーと互角渡り合いました。
もちろん、一番悔しいのは本人でしょう。王者ラブレイセンとは準決で先着していたのですが「後で聞いたら、『準決で負けていたから』って」。昨年のスプリント王者を本気にさせたのが今の力。当然、オリンピック(五輪)でもライバルになります。ラブレイセン、日本で走らないかな… 要チェックや!
そして、どうしてもお伝えしたかったのが河端朋之です。ケイリン準々決勝で敗退し、五輪代表入りの夢がほぼ絶たれました。18年の世界選手権銀メダリスト。レース後は何度も涙をぬぐい「まあ、潮時かな…。若い子も来ている。ここでダメだったら。(パリ五輪の)40歳までは頑張れません」と、ナショナルチーム引退を明言しました。共に歩んできた競技関係者は握手し、抱き合い、目を赤くしていました。約10年。ナショナルチームに人生をささげてきた、功労者です。
ブノワは言います。「3年前、河端が初めてメダルを取ってくれて、道を案内してくれた。彼がきっかけになったんです」。そう、河端が結果を出したからこそ、チームは世界の頂点を本気で目指せるようになったのです。
河端は今後も、実験や補欠としてチームに帯同しますが、競輪で見られる日も近いはず。中国地区にはSS戦士2人を擁し、若手の機動型もたくさんいますから期待大。
河端選手、おつかれさまでした。そして、競輪で世界と戦った脚力を見せてやれ!【山本幸史】